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Channel: 237号室 タカの無事是名作映画烈伝 A級からZ級まで
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彼女の人生は間違いじゃない

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『彼女の人生は間違いじゃない』

 

 

 

 

 

2017年 「彼女の人生は間違いじゃない」製作委員会

 

 

 

 

 

《スタッフ&キャスト》

 

 

監督・原作 廣木隆一

 

脚本 加藤正人

 

 

 

出演 瀧内公美/光石研/高良健吾/柄本時生/篠原篤/蓮佛美沙子/戸田昌宏/安藤玉恵/波岡一喜/小篠恵奈/趣里/麿赤児

 

 

 

 

 

《解説》

 

 

光に手をのばす

 

「さよなら歌舞伎町」「ヴァイブレータ」の廣木隆一監督が、出身地に暮らす人々を描いた処女小説を自身のメガホンにより映画化、主人公みゆき役に「グレイトフルデッド」「日本で一番悪い奴ら」の瀧内公美、父親役の光石研のほか、高良健吾、柄本時生、篠原篤らが脇を固める

 

仮設住宅で父親と暮らしている女性が、週末ごとにデリヘルのバイトをするため福島から渋谷へ出向く、そんな女性を軸に、もがきながら生きる人間たちの姿を活写する

 

 

 

 

 

《物語》

 

 

東日本大震災から5年が過ぎた福島県いわき市、市役所で働く金沢みゆきは父・修と仮設住宅で2人暮らし、母は震災の津波で亡くなり、妻の死を受け入れられない修は補償金で毎日パチンコの自堕落な生活

 

 

みゆきと同僚の新田勇人は父は補償金で遊び、母は祖母と怪しい宗教にハマり、今は弟の海人と2人暮らし、行きつけのスナックで海人の夕飯を作ってもらうと、東京からやってきた女子大生が新人で入っていて気になる勇人

 

 

週末にみゆきは高速バスに乗って東京の渋谷に向かう、修には英会話教室に通っていると言っているが本当はデリヘル嬢として働いている、この日もみゆきは送迎車を運転する三浦と客の待つラブホテルに向かう

 

 

みゆきはこの仕事を始めてもう2年、最初は危なっかしかったが随分と慣れたと三浦は感じ、三浦はこの仕事で人間にいろんなとこが見えると楽しんでいて、生きている感じがする

 

 

市役所での昼休みにみゆきの元カレの山本健太からの久しぶりに会いたいとのメールが届いた、健太は結婚した友人は子供の心配をして町を出て行った、一番の親友は津波にさらわれた、会いたいのはみゆきだけだ

 

以前に健太は「お母さんがあんなことになったのに呑気にデートしてていいのかな?」と言ったことで2人は別れた、健太はそれを悔やんでおり、みゆきに未練があった

 

勇人はスナックで女子大生に卒論のテーマとして震災の現状と今ある問題を教えてほしいと聞かれるが勇人は言葉に詰まり、答えられなかった

 

ある日にみゆきは送迎車に乗ると三浦は妻に赤ちゃんが出来たらしく風俗の世界から足を洗おうと考えている、そして三浦は店を辞めて俳優業を主にして再出発

 

みゆきは三浦の舞台を観て、2年前にデリヘルを始めた頃を思い出した、被災者であっても三浦は他の女の子と対等にし、特別扱いしなくてみゆきは救われたのだ

 

 

 

 

 

 

《感想》

 

 

東日本大震災によって人生が変わってしまった人たちは相当いるでしょうね、農業をしていた人たちは汚染された畑や田んぼで農業を出来なくなり、それに風評被害で作物が受け入れられない現状です

 

本作でもみゆきの父親の修もそれで農業をせずに報奨金で毎日パチンコばかりしています、その報奨金を目当てにねずみ講や詐欺を働く奴らもいるんです

 

主人公のみゆきは毎日市役所で働き週末になると東京の渋谷に行って出張型風俗嬢のいわゆるデリヘル嬢をしているんです、見る限り金銭的に困っている様子ではないのですがデリヘル嬢をしているんです

 

このみゆきを演じるのが瀧内公美でヌードも辞さない体当たりの演技を見せています、そのデリヘル嬢による口淫などのサービスも見せていてなかなか勇気ありますね

 

 

みゆきが上京してトイレで化粧をするのですがそこで同じく地方から週末だけ出てきてデリヘル嬢をしている女性と仲良くなったりします、そのデリヘル嬢を演じるのが「過激派オペラ」の趣里で、思いテーマの中で良かったシーンでした

 

 

送迎車の運転手の三浦を演じるのが「シン・ゴジラ」の高良健吾で、運転手だけではなくてデリヘル嬢が危険な目に遭うとすぐに駆け付けて対処します

 

みゆきを面接した三浦はみゆきを断るのですが泣いて全裸になるみゆきを見て訳ありだと感じて採用して守ると言った事にみゆきは反応して三浦に突っかかります、しかし三浦は店のデリヘル嬢は同じように守ると言って、いままで震災被災者で悲劇のヒロインだったみゆきはそれで少し吹っ切れたようです

 

 

みゆきの同僚の勇人は家庭が離散してしまって弟と一緒にくらしているんです、演じるのは「聖の青春」の柄本時生であの顔でいつもインパクトあります(笑)

 

そんな勇人に2人の女性が接近します、スナックでバイトする女子大生で演じるのが「咲 Saki」の小篠恵奈で福島県いわき市に来たのも卒論で震災のことを書こうとしていたからなんです

 

 

それと写真家の山崎沙緒里を演じるのが「白ゆき姫殺人事件」の蓮佛美沙子で彼女のシーンはこの映画での唯一の心が温まるシーンでもありました

 

 

監督はピンク映画出身で「オオカミ少女と黒王子」の廣木隆一で自身の原作を監督、「さよなら歌舞伎町」でも東日本大震災に触れていて、福島県出身なのでそれは永遠のテーマなのでしょうか?でも恋愛映画もよく手掛けていて胸キュン映画巨匠とも呼ばれています

 

 

 

 

 

週末、上京しデリヘルをするみゆきは、福島と東京を往復する日々に何を見たのか それが『彼女の人生は間違いじゃない』です。

 

 

 

 

 

実際に彼女の人生は間違いではないでしょうね、ラストにはおいらはそう見えました

 

 

 

 

 

 

 

 

 

裏237号室の『彼女の人生は間違いじゃない』のレビューはこちらです

 


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