『ブレードランナー2049』
2017年 アメリカ
《スタッフ&キャスト》
監督 ドゥニ・ビルヌーヴ
原作 フィリップ・K・ディック
脚本 ハンプトン・ファンチャー/マイケル・グリーン
撮影 ロジャー・ディーキンス
音楽 ベンジャミン・ウォルフィッシュ/ハンス・ジマー
出演 ライアン・ゴズリング/ハリソン・フォード/アナ・デ・アルマス/シルビア・フークス/ロビン・ライト/マッケンジー・デイビス/カーラ・ジュリ/レニー・ジェームズ/デイブ・バウティスタ/ジャレッド・レト/エドワード・ジェームズ・オルモス/ショーン・ヤング/バーカッド・アブディ/ヒアム・アッパス/ウッド・ハリス/デビッド・ダストマルチャン
《解説》
知る覚悟はあるか
リドリー・スコット監督がフィリップ・K・ディックの小説をもとに生み出した1982年公開の傑作SF「ブレードランナー」から、35年の時を経て生み出された続編
リドリー・スコット監督は製作総指揮を務め、「メッセージ」「ボーダーライン」などで注目を集めるカナダ出身の俊英ドゥニ・ビルヌーヴ監督が新たにメガホンをとった
前作の主人公デッカードを演じたハリソン・フォードが同役で出演し、「ラ・ラ・ランド」のライアン・ゴズリングがデッカードを捜す”K”を演じた
《物語》
レプリカントは人間に代わる労働力としてタイレル社が開発した人造人間である、だが何度も反乱を起こし、製造が禁止され、タイレル社は倒産した
2020年代、生態系が崩壊、企業家ウォレスが台頭し、合成農業によって飢餓を回避した、ウォレスはタイレル社の資産を買い取り、従順な新型レプリカントの製造を開始
旧型で寿命制限のないネクサス8型の残党は解任の対象となり追跡された、彼らを追う捜査官の通称はブレードランナー
2049年カリフォルニア、LA警察捜査官Kはブレードランナーで最新型のレプリカント、ロサンゼルス郊外の農場を訪れ、そこで農場を営む旧型レプリカントのサッパー・モートンを訪ねるが抵抗されて乱闘となり、眼球を確認した後に射殺した
モートンの眼球をくり抜き帰ろうとしたKだったが農場の外に立っている1本の木を見付けた、木の根元には小さな花がたむけられいた、Kがセンサーで木を調べると下に何かが埋まっており、本部に連絡すると掘削機で調べると返事をもらい、Kは本部に戻った
自宅アパートへと帰ったKはウォレス社製のホログラムAIの女性ジョイと一緒に住んでおり、Kはジョイを恋人のように扱っている
拡張メモリのエマネーターをジョイにプレゼント、これによりジョイは部屋の中だけでなく外にも持ち出せるになり、初めて外に出たジョイは雨の中でKに抱き着いた
その時に本部からボイスメッセージが入り、至急に署へと呼び出された、本部では掘削班がとんでもないものを発見した
モートンの農場の木の下から回収した箱の中には帝王切開の合併症で30年前に死亡した女性の遺骨が入っていて、その女性はレプリカント
レプリカントが妊娠出産などありえない、Kの女上司ジョンはこの世には秩序の壁がある、脅威となる前に秩序を守る為に生まれた子供を消し去れと命令
Kはウォレス社を訪ねてデータを照合し、女性レプリカントがレイチェルという名前だとわかり、彼女がデッカードというブレードランナーから検査を受けていることが判明し、Kはデッカードの行方を追い、発見する
《感想》
製作が発表された時は期待半分、不安半分でした、でも本作を観た時にはこれはこれで良かったです、でもそれは1本の映画としてね、「ブレードランナー」の続編としてはハードルが高かったね
「メッセージ」のドゥニ・ビルヌーヴ監督は映画の中でブレードランナー愛を描いてくれてます、前作からは35年ぶりですが街並みは前作のダークで混沌とした世界観を継承していて素晴らしかったです
本作の街並みやホログラム広告などを見ると前作は35年前の作品なのにいまだに古さを感じさせない凄さです、車のデザインは前作同様にダサい(笑)
続編の噂は1990年代から何度もありました、映画の続編小説を元にした映画製作が始まりましたが権利上の問題から中止
2009年にはリドリー・スコットと弟のトニー・スコットがブレードランナーの前日譚を描いた作品が企画されましたが資金問題により中止
2014年にリドリー・スコットが続編の総指揮をすると発表し、2015年から撮影が開始されるが主要撮影は2016年からで、2017年に公開されました
本作は暴力や性的表現やセリフによってR15となりました、前作でも残酷シーンを残した「完全版」がありますが本作は唯一の劇場版ですが監督は代替えバージョンは誰かが作るだろうと
主人公のブレードランナーのKを演じるのが「ドライヴ」のライアン・ゴズリングでまさかレプリカントがブレードランナーをしてレプリカントを排除するとは思わなかったです、レプリカントたちからは裏切り者と呼ばれて人間からは人間もどきと言われる辛い存在です
そのKが捜し出す元ブレードランナーのデッカードを演じるのが「スター・ウォーズ フォースの覚醒」のハリソン・フォードでご老体に鞭を打ってアクションをしています
ホログラムAIのジョイを演じるのが「ノック・ノック」のアナ・デ・アルマスで彼女の映像は素晴らしかったです、スタイルも抜群でヌードも披露しています
ホログラムなのに雨に打たれる描写や、マッケンジー・デイビス演じる娼婦のマリエッティと体を同期させてKとのセックスをするシーン素晴らしかった
レプリカントの殺し屋ラヴを演じるのが「鑑定士と顔のない依頼人」のシルビア・フークスでこれがハリウッド・デビューですがド派手なデビューとなりました
前作でも女性キャラは際立ってましたが、本作での女性キャラたちも強烈な印象でエロさも多くて監督はそんなところも大人でしたね
前作の作り直しではなくレプリカントの子供が存在したりと驚く展開で衝撃的でした、一番ビックリしたのはレイチェルが出てきたことです、デッカードとレイチェルのその後が知れたのはモヤモヤが払拭された感じでしたね
人間とレプリカント、人類存亡にかかわる真実が今、明かされる それが『ブレードランナー2049』です。
ただ残念なのは音楽が前作とは違うところです、エンドロールにヴァンゲリスの音楽が流れると思ってたのに
裏237号室の『ブレードランナー2049』のレビューはこちらです