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Channel: 237号室 タカの無事是名作映画烈伝 A級からZ級まで
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バニーレークは行方不明

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『バニーレークは行方不明』






1966年 アメリカ






《スタッフ&キャスト》



監督 オットー・プレミンジャー


原作イヴリン・パイパー


脚本 ジョン・モーティマー/ペネロープ・モーティマー


撮影 デニス・クープ


音楽 ポール・グラス




出演 ケア・ダレー/キャロル・リンレイ/ルチー・マンハイム/ノエル・カワード/スザンヌ・ニーブ/エイドリアン・コリ/キカ・マーカム/ジル・メルフォード/アンナ・マッシー/マーティタ・ハント/ローレンス・オリヴィエ






《解説》



ある日突然少女が消えた… 誘拐?それとも彼女など最初からいなかったのか?


幼い愛娘が行方不明になったと心配そうに訴える若い女性 しかし捜査が進んでも、事件の目撃者はおろか、そもそもその娘が実在していたことを裏付ける証拠すら見つからず、謎は深まるばかり はたしてこれは誘拐事件か、それともどこか正体の怪しい彼女が生み出した妄想なのか?


ジョディ・フォスター主演の「フライトプラン」の元ネタともなった、知る人ぞ知る異色の傑作サスペンス






《物語》



ロンドン駐在の記者をしているスティーブンはアメリカから来たばかりの妹のアンを迎えようと新しいアパートで待っていた


アンは今日初めて保育園にあずけた娘バニーを迎えに行ったが時間が合わず料理婦に頼んで引っ越し業者の待つアパートへと急いだ


片付けをして、買い物を終えて再び保育園にバニーを迎えに行ったアンだったがバニーの姿はどこにも見えない



どの先生に訪ねてもバニーという子供は見たこともないという 不安に苛まれ感情的になるアンはスティーブンを呼び園内をくまなく捜すがいない



スティーブンはスコットランド・ヤードのニューハウス警部に捜索を依頼した しかしどこにもバニーはいなく、料理婦の姿も見えない



ニューハウスは外に出たならすぐに見つかるはずと特徴を書いた手配書を作成して配布すると アンが警察でバニーの特徴を話し手配書を作成


その頃、スティーブンがアパートにバニーの写真を取りに行くがバニーの全ての物がなくなっていた ニューハウスはおかしな強盗か最初からなかったのかとさえ考えた


ニューハウスはイギリスに来てバニーを見た人のリストを作ってくれとアンに依頼 しかしアンは子供の頃にバニーという空想上の友人を作っていた事もあった



アンとバニーが乗ったバスの運転手は覚えていない しかもニューハウスが船会社で乗客名簿を見るとアメリカから渡ってきたアンとバニーの名前がなかったが、ニューハウスはある事に気付く


バニーの実在を証明する為にアンはバニーの人形を修理に出していることを思い出し、夜に店に向かった 人形はあったのだが思いがけない展開へと事態は動く








《感想》



本作は1965年の作品ですが色褪せることなくサスペンスの一級品だと思います 娘のバニーが突如として消えてしまうんです、母親のアンは必死に捜すのですがバニーがいたと思われる痕跡がことごとく消えて、アン以外の人物はバニーの存在自体を疑問視します


原作の発想は「パリ万博事件」です 万博を観光で訪れたイギリス人母娘がホテルに泊まり、2人部屋が満室で1人部屋を2つ借りたのですが、翌朝に母親は消えていて荷物もなく痕跡すらなかった 「母がいない」と叫ぶ娘に従業員たちは、「お客様、あなた1人でいらしたのですよ」


この実話は証拠の確認ができないので都市伝説の扱いなんですが、ここから生まれた小説や映画は多数あります


ヒッチコックの「バルカン超特急」やジョディ・フォスターの「フライトプラン」やジュリアン・ムーアの「フォーガットン」もこれが元ネタです


自分の娘がいいないと騒ぐのですが逆に周囲からはおかしな目で見られて、余計に取り乱して孤立してしまう心理描写が秀逸です


それにこの手の作品は最初や前半部分で子供を見せることが多いのですが本作ではバニーを見せなかったのが良かったです 主人公のアン以外バニーを見ていないんです


このアンを演じるのがキャロル・リンレイ 当時22歳でまだ演技経験は未熟で童顔で弱々しい感じが監督の目に留まり決定



結婚はせずにバニーを生んで育てるシングルマザーでそんな事も含めて観ている者はこのアンの言うことは事実なのか違うのかクルクル回ってしまいます


それに兄のスティーブンとは仲良しでスティーブンが入浴中でもアンは中に入るくらいです なんだか禁じられた関係を匂わすような描写でした



このおかしな事件をスコットランド・ヤードのニューハウス警部が捜査します ニューハウスもアンの言動とバニーの痕跡が一致しなくて困惑するのですが、ある事に気付くんです



隣の住人にはセクハラな発言をして娘が行方不明となった上に神経を刺激されてイライラも募りますね それでも事件は急展開してアクションには頼らずに展開されていきます 映画史上最も奇妙かもね





名匠オットー・プレミンジャー監督が描く傑作ミステリー! それが『バニーレークは行方不明』です。






原作の結末を気に入らなかった監督がガラッと変えて仕上げました








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