『シザーハンズ』
1990年 アメリカ
《スタッフ&キャスト》
監督 ティム・バートン
脚本 キャロライン・トンプソン
撮影 ステファン・チャプスキー
音楽 ダニー・エルフマン
出演 ジョニー・デップ/ウィノナ・ライダー/ダイアン・ウィースト/アンソニー・マイケル・ホール/キャシー・ベイカー/ヴィンセント・プライス/アラン・アーキン/コンチャータ・フェレル/ジーナ・ギャラガー
《解説》
ティム・バートンの映像マジックで贈る、甘く切ない現代のおとぎ話
手の先はハサミだが、無垢な心を持つ人造人間のエドワード 彼は美しい少女に恋をするが… ジョニー・デップ主演、ティム・バートン監督の傑作ロマンティックファンタジー
後に「チャーリーとチョコレート工場」「スウィーニー・トッド」などでも組むデップとバートン監督が初めてタッグを結成 バートンが映像センスを駆使し、観る者の心に残る1本に仕上げた逸品
エドワードは両手の先がハサミであるため、愛する人を抱きしめることができない せめてもとその手で美しい氷の彫刻を作って自分の気持ちを伝えようとする姿が切なく、感動的 ロマンティックな傑作
《物語》
小さな町に住むペグ・ボッグスはエイボン化粧品のセールスの仕事をしているがなかなか商品は売れない そこで新しい顧客開拓に山の上にある古い城を訪ねた
その城に辿り着くまでの庭木は美しく動物の形に刈り取られ、ペグは思わず見とれてしまうほど 城の中は古びていて蜘蛛の巣だらけ
二階に上がったペグ そこにいたのは両手がハサミのエドワード 彼の姿を見て一目で気に入ったペグは車に乗せて家へ連れて帰ることにした
夫のビルと小学生の息子ケビンはエドワードに興味津々 その夜は高校生の娘キムの部屋で寝ることに
両手のハサミを持て余して自分の顔を切ってしまっていたエドワードだったが、庭の木を動物の形に刈り取り、ハサミを使う仕事は器用にこなす
近所の奥様たちはペグが男を連れてきたと噂で持ちきりになり、仕方なくペグはバーベキューパーティを開いてエドワードをお披露目 エドワードは一躍人気者となる
その夜、キャンプに行って不在だったキムが真夜中にこっそりと帰宅 キムの部屋でエドワードが鉢合わせして、キムは殺人鬼がいると大騒ぎ そんな事からキムはエドワードを苦手に感じるようになる
一方、エドワードは近所の庭木を刈り、ペットの毛やそれに奥様連中の髪も綺麗にカット エドワードは話題になり地元テレビに出演するほどの有名人に
キムの恋人のジムがエドワードが鍵穴にハサミを差し込んでドアを開けるのを見て、自分の父親の金品を盗ませようと計画
ジムはキムからエドワードに頼ませエドワードは鍵を全て開けるが警報装置が作動し、警察に取り押さえられる
エドワードはキムを気遣い何も喋らなかった この事件をきっかけに周囲のエドワードを見る目が変わり避けるようになる
クリスマスが近づいたある夜、エドワードは氷で天使の彫刻をしていると削った氷が雪のように舞い、キムはその幻想的な景色に感動
その雪の中、キムがエドワードに近づいた時にジムが声を掛け、キムの手の平を切ってしまう ジムはキムが手当てしている間にエドワードを追い出し、それを許せないキムはジムと絶交
街を彷徨うエドワードは自暴自棄になり町は大騒ぎになり、警察も出動する
町の人々の非難の中、エドワードは山の城に戻るが、心配になったキムが彼を追うとジムまでも追い、銃を発砲、暴力を振るうジムをエドワードは胸を一突きして殺してしまう
城にまで押し寄せてきた人々にキムはエドワードは死んだと伝え、騒動は治まることに
数十年経った今も、エドワードはキムの為に氷の雪を降らし続けている
《感想》
この映画を嫌いな人がいるのでしょうか? おいらはファンタジーは苦手なんですがティム・バートンが作った新しい「フランケンシュタイン」だと思ってます
ヴィンセント・プライス演じる発明家は遂に人造人間を創りだしてしまったんです しかし完成まであと少しというところで死んでしまいました 大きな城に1人で住んでいたエドワードが下界を旅するようなお話
腕までもう用意出来てたんですけど後はハサミと取り換えるだけだったんですけどそこで発明家は息絶えてしまいます このシーンは悲しかった
ヴィンセント・プライスは1993年に他界しこの作品が遺作となりました ティム・バートンはヴィンセント・プライスと念願叶って仕事が出来ました
当初は、エドワード役にトム・クルーズが候補となってましたが、トムはハッピーエンドを要求、ティム・バートンが却下したために降板
ジョニー・デップに初めて会ったティム・バートンはどうしようもない下手な役者だったが殻を突き破ろうとしている意欲を感じ、そんな役者と仕事がしたいのが映画監督だと語っています
キムを演じたのが当時、ジョニー・デップと恋人関係にあったウィノナ・ライダー その頃はウィノナの方が有名だったと思います
当時は若手実力派として人気があり、プライベートでもいろいろと騒動を起こしていた記憶があります 最近は脇役が多いですね 今では円熟味を増してきたかもね
本作でのウィノナは本当に素晴らしく可憐です 高校生の役なんですが子供っぽくもあり大人っぽくもある微妙な年齢を演じています
最初は得体の知れないエドワードを嫌ってるんですが次第にそのピュアな心に惹かれていきます 「抱いて」と言ったキムに対して「できない」と言うエドワード キムはエドワードの胸に飛び込むんです 良いシーンです
オープニングでおばあさんが孫に「雪はどこから降るの?」って質問からこの話は始まり、ラストはこのおばあさんこそ年老いたキムだとわかります 素敵なおとぎ話ですね
汚れを知らない優しいエドワード それが『シザーハンズ』です。
当時、初デートでこの映画をチョイスして株を上げました(笑) 良い想い出のある作品です