『ザ・ドア 交差する世界』
2009年 ドイツ
《スタッフ&キャスト》
監督 アノ・ソウル
原作 アキフ・ビリンチ
脚本 ヤン・ベルガー
撮影 ベラ・ハルベン
音楽 ファビアン・ローメー
出演 マッツ・ミケルセン/ジェシカ・シュワルツ/ハイケ・マカッシュ/ネーレ・トゥレーブス/トーマス・ティーメ/ティム・ザイフィ/スーザン・アンベー/トーマス・アーノルド
《解説》
パラレルワールドに迷い込んだ男の運命を描く、緊迫のSFサスペンス!
謎の扉の奥に別の世界を見付けた男の過酷な運命を描くドイツ産SFサスペンス アキフ・ビリンチの原作を基に「ブラッディ・パーティ」のヤン・ベルガーが脚本化、TVを中心に活躍するアノ・ソウルが監督
娘を事故で亡くし、全てを失った男がたどり着いたもう一つの世界とは? ハンブルグ映画祭、釜山国際映画祭出品ほか世界中を席巻し、ドイツ映画祭では3部門にノミネートされた注目作!
《物語》
有名画家ダビッドは美しい妻のマヤと可愛い娘のレオニーと共に何不自由なく暮らしていた マヤの留守中に隣人女性ジアと情事を楽しんでいる セックスを終えて自宅に戻ると一人娘のレオニーが自宅庭のプールに落ち溺死していた
その事件をきっかけに妻と離婚、全てを失ったダビッドは5年後には抜け殻のような生活を送り、レオニーが死んだプールで自殺未遂をするが友人のマックスに助けられる
自暴自棄な彼はある夜、白い蝶に導かれ古びた祠の中に扉を見付ける その扉を開くとそこは昼間で娘を失ったあの日につながっていた
ダビッドはすぐに走りプールに飛び込みレオニーを助け出した レオニーを休ませるとジアとの情事を終えたダビッドが帰宅
不審者と思い襲い掛かってきた過去のダビッドと揉みあいとなるが、ダビッドは誤って過去のダビッドを殺してしまう
咄嗟にダビッドは死体を庭に埋め、この世界で生きて行く事にし、改めて人生をやり直すことにした かつてダビッドの浮気で険悪な関係にあったマヤとも心を入れ代えたダビッドと徐々に修復していく
しかし幼いレオニーはダビッドがダビッドではない事に気付いていたが、家族3人で幸せを取り戻す
友人のマックスが隣人ジアとの浮気を指摘するとダビッドは全てを打ち明けた もちろんそんな話は信じられないマックスだった
だが、ダビッドの誕生日パーティの夜にマックスはレオニーの描いた絵を見てダビッドが本当に入れ代わったと信じ、庭に埋められた5年前のダビッドの死体を発見
マヤに全てを話すと言うマックスにダビッドは秘密にしてくれと言うがマックスは聞かない そこに突然、隣人のシギーが現れてマックスを殺害
そしてシギーに驚愕の真実を告げられ、シギーも5年前からやって来てこの世界のシギーを殺して入れ代っていたのだ
同じく入れ代っている人間が数多くおり、ドアの秘密を守るように厳守させられるが、シギーに5年後のマヤがこっちの世界にやって来ると知らされる…

《感想》
これは中々面白かったです 久しぶりにタイムパラドックスというかパラレルワールド物を観ましたよ 自分の子供を浮気中に死なせてしまったら悔やんでも悔やみきれませんよね
もし時間を戻せるのならと考えることがありますよ 自分の女遊びで子供が死ぬなんてね それにそれを妻のマヤに謝るのですがマヤは子供の習い事の教師と住んでいて、5年前の世界でその教師に奥様によろしくと言われるがダビッドは断ります(笑)
ダビッドを演じるのは北欧の至宝と言われるマッツ・ミケルセン デンマーク出身で「007/カジノロワイヤル」「シャネル&ストラヴィンスキー」などで着実にその地位を硬め、2012年には「偽りなき者」でカンヌ国際映画祭で主演男優賞を受賞
くたびれた表情ですが、何だか影のある役がピッタリな印象です 有名画家ですが最近は煮詰まってる感じで妻のマヤとも険悪な関係ですが娘を亡くし決定的になって、5年前の世界に行くのですがそこでは娘を助けることが出来るのですがもう一人の自分を殺害
そこで5年前の自分と入れ代り、身も心も入れ代って家族の為に尽くすように生活し、マヤも再びダビッドとセックスするくらい修復はされるんです 全ては平穏に行くはずだったのですが、そうはいきませんよね
何故だか分かりませんがその町の大勢の人は5年前からの入れ代りが多いんです みんな人生を失敗してるみたいですね そんな中で妻のマヤもやってきます
マヤを演じるのはジェシカ・シュワルツ この女優さんのことは全然知らなかったです
娘のいない世界では生きて行くこと自体が辛く5年前の世界で家族3人で暮らしたいと、マヤはダビッドのことは全て水に流すとね
ダビッドは心が揺れます、新しい5年前の妻か、全てを知っている5年後の妻か どっちにしても2人は存在してはいけないのです でも何故か5年後から来る人に有利になってるんです 未来の人間はみんな心が澱んでいるのかも
娘を事故で亡くし、全てを失った男がたどり着いたもう一つの世界とは? それが『ザ・ドア 交差する世界』です。
ドイツ映画って久しぶりでしたがハリウッド映画にはないものがありますね