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Channel: 237号室 タカの無事是名作映画烈伝 A級からZ級まで
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幸福の黄色いハンカチ

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『幸福の黄色いハンカチ』






1977年 松竹






《スタッフ&キャスト》



監督・脚本 山田洋次


脚本 朝間義隆


撮影 高羽哲夫


音楽 佐藤勝




出演 高倉健/倍賞千恵子/武田鉄矢/桃井かおり/たこ八郎/太宰久雄/岡田茉利/笠井一彦/小野泰次郎/赤塚真人/渥美清






《解説》



込みあげる涙、鮮烈に甦ったあの黄色!


日本を代表する映画スタア・高倉健×日本が誇る名監督・山田洋次のコンビで送るロードムービー 北海道の風景を交えて1人の男の葛藤、若者たちの青春を丁寧に紡ぎ、第一回日本アカデミー賞、キネマ旬報賞ほか国内の賞を総なめにした


6年3カ月の刑期を終えて出所した男の帰郷と、同行することになった若い男女の道行きを、北海道の荒涼たる自然の中に描き出す 高倉健の渋さもさることながら、まだ初々しい武田鉄矢や桃井かおりの掛け合いがマッチし、軽快なテンポを生む 名作中の名作






《物語》



失恋してヤケになった花田欽也は勤めていた工場を辞めてその退職金で真っ赤なファミリアを購入 失恋旅行として1人フェリーに乗り北海道にやってきた


釧路から網走に車を走らせた欽也は駅前で手当りしだいにナンパ 同じく東京から傷心旅行で1人で旅にきた、車内販売員として働く朱美をナンパしてドライブ


海岸にやってきた2人はそこにいた島勇作に写真を撮ってもらう その縁で彼と3人で旅を始めることに



その夜、阿寒湖の温泉旅館で2部屋取り朱美と同室の欽也は必死で口説くが強引な欽也に泣き出してしまう その騒ぎを聞いて隣室の勇作が欽也を叱責


次の日の朝、重い空気の中、勇作と朱美が車を降りて汽車で行くと言い出すが欽也がカニを購入して機嫌を取り、再び旅を始める


しかしカニに当たった欽也が腹痛で路上に車を止めたままトイレへ トラクターの邪魔になり朱美が車を動かすが脱輪させるわ、農地を暴走して干し草に突っ込んでしまう


結果その農家の好意で泊めてもらうことに そこで勇作は欽也の朱美への不誠実な態度に説教 女性には優しくしろと


帯広の駐車場で欽也がやくざ風の男とトラブルに遭い殴られてしまう 勇作の反撃でその場を逃れ、その際に勇作が運転


しかし彼らの車は検問に引っかかり勇作の無免許が判明 その理由を警官に問われ、一昨日まで6年間殺人罪で網走刑務所に服役していたことを告白


最寄りの警察署でかつて勇作の事件を担当した渡辺係長が勤務しており彼の温情で事なきを得る 勇作は2人に汽車で行くと言うが強引に誘い3人旅は続く




勇作は過去を語り出した、妻の光枝との出会い、結婚、そして妊娠 妊娠の時は鯉のぼりの棒に黄色いハンカチをぶら下げて目印にした


しかし流産してしまい病院で勇作は光枝が5年前に流産していたことを知り隠されていたことに立腹 ヤケになった勇作は夜の街で肩が当たった男とケンカをし、その相手を死なせてしまう


刑務所に入った勇作は離婚を決意 それは不器用な彼なりの愛情表現だった


勇作は夕張の家に向かおうとし、出所直後に光枝に葉書を出した 「まだ1人暮らしで俺を待っててくれるなら、黄色いハンカチをぶら下げておいてくれ」と


それを聞いた欽也と朱美は一緒に夕張に行く事を決意 車は夕張の町に入り、勇作の家の近くに車を止めた


外を見れない勇作に対して欽也と朱美が車外へ 辺りを見渡し、朱美が叫んだ! その先には何枚もの黄色いハンカチが風にたなびいていた








《感想》



おいらが子供の頃に高倉健や山田洋次を知れずに観てラストに大感動したのを子供ながらに覚えています 泣いたわけではなく笑顔になりましたね


あのラストの黄色いハンカチの数に鳥肌が立つくらい感動したもの 想像していたより黄色いハンカチの大群に心を鷲掴みにされた



大人になって観た時に高倉健と倍賞千恵子の再会の話かと思っていたら、武田鉄矢と桃井かおりの件も面白かった 高倉健と倍賞千恵子の出会いもこれまた良いんです スーパーのレジと客なんです



こんなんだったのね 武田鉄矢が桃井かおりをなんとかモノにしようと必死なんです 無理矢理キスして泣かせたりしてね 男なんて女の体目当てなんですよ


そんな武田鉄矢を高倉健が叱ったりね この作品が縁で武田鉄矢主演の「刑事物語 」に高倉健がノンクレッジトで友情出演 律儀ですね~


監督が高倉健にオファーしたら快く承諾してくれたそうです その頃の高倉健はやくざ映画のイメージを脱却したかったようで「新幹線大爆破 」などの映画に出て模索していたようです この時期は高倉健にとってターニングポイントとなったらしいです


桃井かおりは当時売出し中で今どきのフワッとした女の子で監督のイメージに合ったようです 一番困ったキャスティングが欽也だったそうです



地方出身で東京に住んでいる設定で難航しましたけど、どこからか武田鉄矢の名が挙がったそうです 当時の武田鉄矢はバンド活動も下火でオファーに即OKだったとか


有名なエピソードで高倉健が勇作が出所して最初に食事をするシーンで美味そうにかつ丼とラーメンを食べるのですが1テイクでOK このシーンの為に高倉健は2日間食事をしなかったそうです 凄いですね


おいらが初めて観たロードムービーが本作だと思いますが赤いファミリアもそうですが、古い車を見るのも好きで楽しめます



北海道のいろんな所を旅するんですが、最初の阿寒湖の温泉宿で混浴だとは知らずに桃井かおりが高倉健の前に裸でやってくるシーンはドキッとしました そんな色っぽいシーンがあるとは思わなかったのでね(笑)


ラストに桃井かおりが黄色いハンカチを指さして「ほらっ~あれ~!」って叫ぶシーンが大好きです わかっていても胸にグッときました


高倉健と別れた武田鉄矢と桃井かおりは熱いキスをするんです こちらでも愛が育まれていて心温まるラストでした 高倉健と倍賞千恵子の再会で幕切れでも良かったのですが彼らのその後もちゃんと描かないとね


本当に日本映画界は大きな損失をしましたね 残念でなりません







男の眼にやさしい愛の輝きを見た 心で味わって欲しいと優しい愛の物語 それが『幸福の黄色いハンカチ』です。





もう30年以上も前の作品ですが、とっても心地良い作品です 監督は撮り直したいところがいっぱいあるらしいですが、これはこれで傑作ですよ








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