『白ゆき姫殺人事件』
2014年 「白ゆき姫殺人事件」製作委員会
《スタッフ&キャスト》
監督 中村義洋
原作 湊かなえ
脚本 林民夫
撮影 小林元
音楽 安川午朗
出演 井上真央/綾野剛/蓮佛美沙子/菜々緒/金子ノブアキ/貫地谷しほり/谷村美月/小野恵令奈/染谷将太/秋野暢子/宮地真緒
《解説》
噂話や妄想がいつのまにか本当の話になっていく… 誰もが呑み込まれる、ゴシップエンターテインメント
「ゴールデンスランバー」「奇跡のリンゴ」の中村義洋監督が、「告白」「贖罪」など小説の映像化が相次ぐ湊かなえの同名小説を映画化
ある殺人事件の容疑者との疑惑をかけられた女性をめぐり、スリリングなサスペンスドラマが展開していく 井上真央と出演作が相次ぐ綾野剛が共演
《物語》
長野県の国立公園・しぐれ谷で日の出化粧品の社員で25歳のOL三木典子が全身を10カ所以上をメッタ刺しにされ、その後に火を点けられて殺された
テレビワイドショーの製作を請け負う契約ディレクターの赤星雄治は知人の狩野里沙子から殺された典子が自分の勤務する化粧品会社の先輩であり、事件の情報を知らされる
その内容をつぶやくとツイッター上で注目される存在に 美人で評判だった典子の事件は化粧品会社の人気商品の白ゆき石鹸にちなんで、白ゆき姫殺人事件とネット上で呼ばれるようになる
赤星が里沙子に取材し、里沙子が同期の満島栄美が城野美姫が犯人ではと話していたと言う
美姫は典子と正反対で地味で目立たない女性で上司の篠山と交際していたが典子に彼を奪われ、それに同期という事で何かと比較されていてその鬱積が爆発したのかも
会社での先輩の間山の送別会の帰りに美姫の車に乗り込む典子の姿が目撃され、その後は美姫はその日以来仕事を無断欠勤している
赤星は満島栄美に取材 栄美は美姫が犯人だと断言し、典子の私物が無くなったことも美姫が犯人でそれは殺人事件の計画の一部だと
次に赤星は篠崎聡史に取材 白ゆき石鹸の大ヒットで家にも帰れないほどの忙しさだった篠山は美姫がお弁当を栄養のために作ってきてくれた
それからお弁当は家にまで運ばれ少し怖くなった篠山は美姫に典子と付き合っているからとお弁当を断った 美姫とは付き合っていたわけではない しかも典子とは3カ月で終わった
赤星は美姫を犯人と決め付けて取材を決行 やがてネットで美姫のプライベートな情報も晒され炎上 テレビ報道は加熱し、噂が噂を呼び口コミの恐ろしさは広がっていく
美姫には呪いの力がある、城野は黒魔女 妄想は膨らみ捏造される記事 悪意や嫉妬や恨み そして容疑者は本当に城野美姫なのか?
《感想》
おいらとしては楽しく観れましたよ テンポ良かったけど途中の小学校や中学の回想シーンはおいらには必要なかったかな
さすがに「ゴールデンスランバー 」の中村義洋監督ですね 画面にネットのつぶやきをそのまま羅列していく手法は良かったです
原作者の湊かなえは「告白 」など映像化が相次いでいる売れっ子 一筋縄でいかない展開が面白いです
主人公の城野美姫を演じるのが「八日目の蝉 」で最優秀主演女優賞を受賞した井上真央 台本を見たときに美人OL役だと思ってテレていたら地味なOL役で「あぁ、やっぱり」って(笑)
井上真央は最近すっかりと大人な女性になりましたね 少し前までは子供な顔をしてたのに女は怖いわ(笑)
そして美人OL典子を演じるのが映画初出演の菜々緒 美人OLにピッタリですけど、美人のイヤな面も持っていてとっても良かったです
自己紹介のシーンでも自分の平凡な名前にコンプレックスがあるのか、城野美姫を「お城に住む美しい姫には名前で負けましたけど」と自己紹介 心の中では「美しいのは私の方よ」とでも言いたそうです
美人はやっぱ自分中心に周りが動いてないと気が済まないのでしょう 自分が美人だとわかっている女は怖いです それに自分が一番じゃないと嫌なようですね
菜々緒と井上真央とはたしかに女っぷりが違うように描かれてます 菜々緒はお姫様の様で、井上真央は地味な女で誰も気にもとめません 女も怖いけど周りの男もね
映画初出演ということで菜々緒SPでした
赤星に情報をリークするのは「君に届け 」の蓮佛美沙子とその同僚の「さんかく 」の小野恵令奈
大学時代の友人に「トリハダ 劇場版 」の谷村美月、小学校時代の親友に「パレード 」の貫地谷しほり
この女達も自分勝手な一面があって、勝手な妄想で噂話やデマを広げたり、知らず知らずの間に実名を公表してしまったりと困った連中でもあります
ちなみに小野恵令奈は芸能界を引退したようですね AKB48デビューで卒業後はソロで活躍、でも何かやりたいことを見付けたようですね
こんな時に噂になるのがAVデビューの話、噂では5億とも7億とも言われているようです ほんまかなぁ
結構な女優陣が集まった印象です もう一人の主人公に綾野剛 最近は大人気で引っ張りだこですね 今回は自分の仕事に酔ったような困った男です 裏取りもしないでよくここまで一人の人間を攻撃できますよね ネット社会の恐ろしさです
それにこの作品では人の記憶はあやふやで都合よく記憶してるんです 同じシーンなのに微妙に違うのはその人の心境を表しているようです
井上真央は駅の階段を駆け上がること7回 いろんな人の記憶や想像なんかで鬼脚だったり駆け足だったりで大変だったでしょうね
ネットでは容疑者の城野美姫の経歴や写真も暴露されて酷いですね 犯人扱いですから暴言だらけですよ それに引き替え被害者の三木典子は美人なだけで白ゆき姫な扱いですよ
美人とはしたたかで言葉巧みに周りを味方に付ける術を知っているようなんです あまり言うと核心に触れてしまいますからこれくらいで(笑)
魔女か?天使か? 女同士の「噂」が暴走する 誰も見たことがない重層的な傑作サスペンス、ここに誕生! それが『白ゆき姫殺人事件』です。
おいらのまわりには絶世の美女はいないですけど、心も美しくあって欲しいです