『ジャッジ!』
2013年 「ジャッジ!」製作委員会
《スタッフ&キャスト》
監督 永井聡
脚本 澤本嘉光
撮影 野田直樹
音楽 平沢敦士
出演 妻夫木聡/北川景子/鈴木京香/豊川悦司/荒川良々/玉山鉄二/玄里/田中要次/でんでん/浜野謙太/風間杜夫/木村祐一/リリー・フランキー
《解説》
恋と仕事 人生最大の審査!
妻夫木聡、北川景子が偽の夫婦役で共演し、華やかな広告業界の裏側で繰り広げられるドタバタを描いたオリジナルコメディ
サントリーのCMで知られる永井聡がメガホンをとり、東京ガス、トヨタ自動車といったテレビCMプランナー・澤本嘉光が脚本した
《物語》
広告代理店・現通で働く太田喜一郎は情熱があるが腕はイマイチの落ちこぼれクリエイター お人好しな性格が災いして、身勝手な上司の大滝一郎の尻拭いばかり
そんなある日、ちくわ会社から自社CMをサンタモニカ広告祭で賞を獲りたいと言い出した そのCMはちくわ会社の社長のドラ息子が作ったもので目も当てられない代物
ちくわ会社の社長は賞を獲れたら広告費230億円を現通に任せる、しかし賞を獲れなかったら代理店を代えると言われ、サンタモニカ広告祭で審査員を務める予定だった大滝は賞を獲らさないとクビと現通社長に命じられる
大滝はこのムチャぶりに困り、審査員を務める予定だったが太田に急遽代わりに審査員を務めるためにサンタモニカへ飛べと命令
大滝から広告祭のことは鏡さんに聞けと、資料保管室の窓際社員を紹介された 鏡さんからは少しの英語のフレーズとペン回し、そして大量のヲタクグッズを渡された
そしてパーティにはパートナーの同伴が必要と言われ、同じ苗字で仕事も英語も出来るがギャンブル好きな同僚の大田ひかりに一週間だけニセの奥さんになって欲しいと頼み込む
普段から太田をバカにしているひかりは一度は断ったものの大滝に押し付けられクビが掛かっていると噂を聞き、ラスベガスに近いことでしぶしぶ同行を決める
いよいよ開幕する審査会 そこにはクセ者揃いの審査員たち、熾烈な多数派工作に取引きと余念がない 太田は鏡さん直伝の変な技とヲタクグッズで好印象を与える
更に大滝からの電話でちくわのCMが入賞しなければクビだと言い渡され困惑 そのCMは酷評された代物でバカ正直な太田には取引きなんて出来ない しかも同じ日本人のライバル代理店の木沢はるかは多数派工作に敗れ予選落ち
太田は持ち前のバカ正直さと鏡さんの英語、そしてひかりの助けを借りて奮闘し、2人の距離も縮まる 広告への愛は誰にも負けない、落ちこぼれ社員の運命は如何に はたしてこの審査会を太田は乗り切ることが出来るのか?
《感想》
ドタバタで誇張された広告業界を笑い飛ばしたエンターテイメントです お人好しでバカ正直でもへこたれない落ちこぼれのCMクリエイターに妻夫木聡ですが、女子にモテないのはおかしいね(笑)
オープニングできつねうどんのCMがおいらにはツボでした キツネなのにネコとか、うどんのコシを腰とかけてキツネに腰を振らせるんです CMソングも最高です
太田の上司で売れっ子クリエイターに豊川悦司でめっちゃ胡散臭いです 金と名声と女に目がない絵に描いたような広告マンです
窓際社員の鏡さんにリリー・フランキー 国際広告祭での審査員の経験もありますが現在は島流し状態 太田に審査員のイロハを伝授 「そして父になる 」での評価は素晴らしい
ブラジル人審査員カルロスに荒川良々 ヘンテコな日本語を話し、自作CMを入選させるために太田に協力を願い出るんです
そして現通のライバル代理店のトップ・クリエイターで審査員の木沢はるかを演じるのが「フラワーズ 」の鈴木京香 相変わらず凛としていてプライドが高く気が強い役はお手の物ですね トヨタのCMで参加しますが根回しされて予選落ち 太田と飲んで泣き出す一面も
おいらがこの作品を観た一番の理由はもちろん北川景子です 社内では優秀な方の大田と呼ばれています ギャンブル狂で仕事中も競馬中継や競輪中継はかかせません
「ルームメイト 」のようなサスペンスタッチな作品も良かったですが、コメディもやはりハマります 顔面の圧力と目力が凄い
それにとても気が強いんです 妻夫木相手に脅すように気合いを入れたり、下着姿で蹴ったりと最高に面白いです はるかの部屋から出てきた太田を見て「このエロガッパ!」と嫉妬したりね
太田に名字が同じって理由だけで妻を演じてと頼まれても「メジロライアンとメジロドーベルが同じメジロってだけで夫婦か云々…」のシーンはしびれた
ドSなようですがトイレで競馬新聞片手に個室で予想していると女子社員が大滝がちくわCMの仕事を太田に押し付けたことを聞いて同行する事にします
大田ひかるはバカ正直な太田喜一郎の広告愛に惹かれてサポートするんです サンタモニカで男友達とイイ感じにギャンブルに興じているんですがそれも放り出して戻ってくるんです 男前です
サンタモニカ広告祭は架空のものですが世界規模の広告祭は連日パーティや催しが開催されるようです CMクリエイターの永井聡監督が自身の経験から真実50%、フィクション70%で書き上げたそうです
さらに豪華キャストが意外なシーンで登場します 松本伊代や加瀬亮や竹中直人がいい味出してくれます
ダメなクリエイターのCM愛が奇跡を起こす! それが『ジャッジ!』です。
広告業界では「無茶」と書いて「チャンス」と読む(笑) こんな大滝のようなクリエイターはごまんといるようです