『グッドモーニング・ベトナム』
1987年 アメリカ
《スタッフ&キャスト》
監督 バリー・レヴィンソン
脚本 ミッチ・マーコウィッツ
撮影 ピーター・ソーヴァ
音楽 アレックス・ノース
出演 ロビン・ウィリアムズ/フォレスト・ウィテカー/ドゥング・タン・トラン/チンタラー・スカパット/ブルーノ・カービー/ロバート・ウール/J・T・ウォルシュ/ノーブル・ウィリンガム
《解説》
泥沼化するベトナム戦争を舞台にマイクを通じて戦った一人の破天荒なDJの姿を、ユーモアを交えてペーソスたっぷりに描く
バリー・レヴィンソン監督が、戦場には欠かせないラジオ放送を題材にしつつ、戦争批判を盛り込んだヒューマンドラマの秀作 ラジオというアイテムを用いて、軍の上層部と戦場の兵士たちとの隔たりを知らす構造になっているあたりも秀逸
一人のDJが兵士たちを笑いとロックで癒し、ベトナム人と触れ、戦争の冷酷さに翻弄される5ケ月を描いたベトナム戦争映画の中でも異色の作品
《物語》
1965年サイゴン アメリカ軍は一層深いベトナム戦争の泥沼化に入り込み、兵士の中にはこの先の見えない戦いに対して鬱積した気分が蔓延
彼らの士気を高めようとテイラー将軍は本国から米国放送の人気DJを呼び寄せた 空港に降り立ったエイドリアン・クロンナウアはラフな格好で軍服も敬礼も嫌いな一等兵DJ 迎えに現れたガーリック一等兵もビックリさせられた
そして次の朝5時から始まる放送の第一声は「グッドモーニングベトナム!」の叫び声 それまでの軍の許可をパスしたニュースや甘い音楽と打って変わりロックンロールよ機関銃のような喋りで軍の上層部は動転したが100万人のベトナム米軍は拍手喝采 直属の上司であるディカーソン軍曹とホーク少尉にはにらまれてしまう

そんな中、ガーリックと食事に出掛けるが通りを歩くアオザイを着た美少女に一目惚れ 彼女を追い駆け、彼女の通う英語教室で強引に教師となり変な英語を教えて人気者となる


そこで彼女の名はトリンと知り、彼女の兄ツアンと親しくなった ツアンを連れて行ったGIバーで仲間たちと飲むがベトナム人を入れるなと人種差別する米兵と乱闘となり上官に更に目を付けられる
ツアンのはからいでトリンとデートにこぎ付けるが彼女と一族がお出迎え なかなかトリンとの距離が縮まらないクロンナウアが1人GIバーで飲んでいるとツアンが誘いに来た 店を出た瞬間にバーが目の前で爆弾テロで破壊され死者が出た
大人気のクロンナウアの番組だったがディカーソンとホークは気に入らない それにベトコンのテロ事件は放送禁止だったが彼はしゃべってしまい番組を降ろされてしまう
後を継いだホークのDJは最低、苦情が1000件を超えるほど クロンナウアは前線に向かう兵士たちを激励し、再びマイクに向かうクロンナウア


それを許せぬディカーソンは現地で放送したいと言うクロンナウアとガーリックをベトコン危険地区に送り込み殺させようと画策するが、英語教室に来ないことを不審に思ったツアンのおかげで無事帰還

しかし、ツアンがベトコンであることが発覚しベトコンと友人ということでクロンナウアは本国に送還 最後の日に英語教室のベトナム人たちと笑顔で別れ、トリンの涙でサイゴンを去った

《感想》
名優ロビン・ウィリアムズが自殺したと聞いて急遽レビューいたしました おいらが初めて観たロビン・ウィリアムズが本作だったと思います
ロビン・ウィリアムズや作品の予備知識なしで観に行きまして度胆抜かれました あの強烈な喋りはインパクトありましたね よく噛まないなと
当時はベトナム戦争映画がかなり作られていまして、そんな中でも本作はちょっと変わり物な作品でしたね 戦闘シーンのない戦争映画とでも言いましょうか?
ただテロのシーンはあるんですよ もうロビン・ウィリアムズの笑いに慣れてきた頃に起きたテロシーンなので唖然としましたよ 何回も出てくるGIバーだったのでね
ルイ・アームストロングの1967年のヒット曲「この素晴らしい世界」や他にも曲が流れるんですけど、その良い曲なのに米兵がベトコンを射殺するシーンが挿入されてたりして何だか恐ろしい瞬間
アメリカ人のクロンナウアとベトナム人のツアンとトリン ツアンはベトコンなんですけど友人であるクロンナウアを2回助けるんです 最後にはベトコンと知ったクロンナウアと対峙するシーンがあるんですけど胸にグッときますね
アメリカはベトナムを平和にしにきたんじゃない 平和を押し付けて逆にベトナム人を殺していると 家族や友人はアメリカ人に殺されたと
どこの国でも戦争をしていると思いますが同じ人間を殺し合うなんてね それも残酷な方法で殺戮するなんてね 特にこのベトナム戦争は枯葉剤などのちに問題となっています 最近では韓国軍がベトナム人を大量虐殺した問題も
本作のトリンを演じたのがチンタラー・スカパット 彼女はタイの国民的女優だそうです 現在は40代後半のようで美熟女って感じでしたよ
本当にロビン・ウィリアムズの死は残念で仕方ないです なんか鬱だったようでいくつかのリストカットの痕があったようです
ご冥福を祈ります 合掌
ベトナム戦争下のサイゴン基地を舞台に、前線の兵士たちに活気と希望を与えるため奮闘するラジオDJの姿を描いたヒューマンドラマ それが『グッドモーニング・ベトナム』です。
おいらのブログにはオススメの「アンドリューNDR114 」をレビューしています お暇なら是非