『マーサ、あるいはマーシー・メイ』
2011年 アメリカ
《スタッフ&キャスト》
監督・脚本 ショーン・ダーキン
撮影 ジョディ・リー・ライプス
音楽 ダニー・ベンジー/ソーンダー・ジュリアーンズ
出演 エリザベス・オルセン/ジョン・ホークス/サラ・ポールソン/ヒュー・ダンシー/ブラディ・コルベット/ルイーザ・クラウゼ/ジュリア・ガーナー/クリストファー・アボット/マリア・ディッツィア
《解説》
「ブラック・スワン」のスタジオが再び手掛ける衝撃的サスペンス!
家族の愛情を求めて入団したカルト集団を脱走するも、自らの妄想によって現実世界を侵食されていく若者の心の動きを描き出した衝撃作
ドラマ「フルハウス」のオルセン姉妹の妹として知られるエリザベス・オルセンが主演を務め、マーサという本名を捨てマーシー・メイとして新たに生きようとする主人公を演じる
《物語》
20歳の夏にマーサは2年間音信不通だった姉のルーシーを頼って姉夫婦の湖畔の別荘に身を寄せることになった
山で恋人と暮らしていたが別れたとマーサはルーシーに説明 詳しいことは話せていない ルーシーと夫のテッドのおかげで平穏な日々を手に入れようとしていたが、何かに怯えるようなマーサだった
孤独だったマーサは山の上にあるカルト集団に家族愛を求めて入信、マーシー・メイという新しい名前で共同生活を送っていた
教祖のパトリックは信者に役割分担させ、自給自足の生活をさせている 庭仕事を与えられてささやかな喜びを感じるマーサ
しかしある日、浄めの儀式としてハーブを飲まされ意識が朦朧とした後にパトリックにセックスをされ、先輩信者にはこれは性的虐待ではなく儀式だと説明された
教団での生活がフラッシュバックのように蘇り、それによってマーサは行動もおかしくなり、セックス中の姉夫婦の寝室に入り込む この非常識な行動にテッドはストレスを感じてしまう
マーサの過去を知らないルーシーは優しく見守るが、別れた恋人のDVなどを疑うがマーサは否定し、姉妹でもなんでも話せるわけではないと
安全な場所で暮らしていてもかつての記憶が甦り、何かに脅えて失禁までしてしまうマーサ やがてマーサはテッドの生き方や生活を否定し、居候の分際で態度を改めろと衝突してしまう
教団での生活で森の中で銃の練習をさせられるマーサは教団の仲間と近所の屋敷に忍び込み金目の物を盗み出し、その後に集団セックスに耽る
しかもその後もその屋敷に忍び込み、遂には屋敷の主人を殺害してしまうパトリックと仲間たち マーサはその殺人の場面が頭から離れない それによりパトリックと教団に不信感
次第にマーシー・メイの妄想がマーサの現実の世界を侵してゆく マーサは奴らがやって来るとパニック状態になり、テッドを階段から蹴り落としてしまう
《感想》
カルト教団による洗脳ってこんなにも恐ろしいのかと、マーサはこの呪縛からは永遠に逃れられないのでしょうか?
教団によって生み出されたマーシー・メイがマーサの心と肉体を支配していきます やはりカルト教団って心に爪痕を残すのですね
主演はオルセン姉妹の妹のエリザベス・オルセン この作品で彼女を初めて見たのですが本作で一躍名を轟かせたようです
ムチムチした肢体を無防備なエロスとして披露してくれてます 湖で泳ぐときにはテッドもいるのに全裸で泳ぐんです
マーサは教団でパトリックや信者との集団セックスなどで麻痺しているのかも 服も共同で脱出してもルーシーの服や水着を借りています ルーシーはマーサの美貌に嫉妬しているのかも
教団ではパトリックがルーシーの後ろに回り銃の扱いを教え、テッドはボートの操縦をやはり後ろに回って教えます
パトリックに初めてセックスされる時は白いバスローブですが、ルーシーがパーティで貸したドレスが真っ白
上昇志向の建築家のテッドはマーサに仕事を持てと話すのと、教団での役割を見付けるということは場所は違えど同じ 細かく違っても同じような感じだったりします
結局は暴走するマーサを専門医に委ねようとするルーシー これから子供を作るのにやはりマーサは危険ですからね こういうマインドコントロールなんかはやっぱ専門医なんでしょうかね
ルーシーはカルト教団やマインドコントロールなどは知らないので仕方ないかな? それに出産に子育てにはストレスになるマーサの厄介払いのようにも見えたりします
この作品を観て、チャールズ・マンソンのファミリーグループを思い出しましたよ 彼らも自給自足の集団生活をしていましたが実際は反社会的なカルト集団でした
ただ過去と現在がクルクルと入れ替わる編集なんですけど、おいらとしてはじっくり見せて欲しかったな
心の闇に葬ったもう一人のワタシが、私を犯しにくる それが『マーサ、あるいはマーシー・メイ』です。
あの強烈なエンディングはある意味衝撃です