『気狂いピエロの決闘』
2010年 スペイン・フランス
《スタッフ&キャスト》
監督・脚本 アレックス・デ・ラ・イグレシア
撮影 キコ・デ・ラ・リカ
音楽 ロケ・バニョス
出演 カルロス・アレセス/アントニオ・デ・ラ・トレ/カロリーナ・バング/マヌエル・タリャフェ/アレハンドロ・テヘリア/サンティアゴ・セグーラ/エンリケ・ビレン
《解説》
カルト的人気を誇るスペインのアレックス・デ・ラ・イグレシア監督が、ピエロ同士の狂気に満ちた戦いを描いた異色作!
悲しい運命の歴史を背負った道化師があれよと見る間に怪物へ変貌していくさまを疾風怒濤の展開で綴り、第67回ヴェネチア国際映画祭の監督賞ほかに輝いた怪作カルト映画
ラブロマンスにホラー、バイオレンスアクション、等々、多彩な要素をごった煮で詰め込んだ、何でもありの展開は、ぜひ見てのお楽しみ
《物語》
1937年マドリードでのサーカスの公演中にスペイン内戦が激化し、軍に連行され無理矢理に共和国軍に参加させられ国民軍と戦う事になるが捕虜となり、長い間囚われの身となったピエロの父
息子のハビエルはサーカスの人気者だった父を慕っていたが大きなケガを負いピエロ生命を絶たれてしまう
1973年マドリード 内戦もかつての出来事で平和な日々が続いていた ピエロとなったハビエルはあるサーカスに入団
入団初日に皆を紹介してもらうが、そこで曲芸師のナタリアという美しい女性に目を奪われてしまう ナタリアはハビエルのボスで人気ピエロのセルヒオの妻
人気があるが故に横柄な態度で客は俺を見に来ていると怒鳴り、何が面白いかは俺が決めると他の団員も威圧し、ナタリアにも暴力を振るい、俺が皆を食わせていると
ナタリアを介抱するハビエルにセルヒオの暴力は毎晩だとハビエルに話す そこに戻ってきたセルヒオを見て姿を隠したハビエル その場で乱暴にナタリアを抱くセルヒオ
次の日のハビエルのピエロは子供たちに大ウケ セルヒオにピアノで殴られ失神したのだった
その夜、ナタリアに誘われたハビエルは2人でカーニバルに ナタリアは自分を利用しない純粋なハビエルに好感を持っていた
2人は次第に魅かれ合うようになるのだがセルヒオの嫉妬は激しくなり、疑い始めたセルヒオはハビエルに忠告
そんな状況を楽しむナタリアはハビエルを誘いキス その現場を見たセルヒオに病院送りにされたハビエル
病院を抜け出したハビエルはセックス中のセルヒオを襲い半殺しに 一命を取り留めたセルヒオは醜い顔となり
ハビエルは地下道を通って森へ逃げ行方不明 その後、セルヒオも行方不明となる サーカスは倒産してしまうが新たな事業でナタリアたちは生活していた
その後にナタリアを助けたいハビエルはセルヒオと争い、やがて2人は常軌を逸した市街戦へと展開していく
《感想》
とにかく強烈な展開です このタイトルでちょっと気分を害する人もいるでしょうね
たしかにどちらのピエロも頭がおかしくなってます セルヒオはハビエルに復讐されて男前が醜い顔にされてしまいます
ハビエルは森で住んだ後に捕えられ家畜同然に扱われて自らを怪物へと昇華
ナタリアを巡って2人は激突 どちらかを選べと言われてもこんなのどちらも嫌ですよね
セルヒオは一応はナタリアの夫です でもね外でもどこでもナタリアを抱くんです それを見てハビエルは助けなきゃと思うのですが、ナタリアはそれを楽しんでいるようです
ナタリアはセルヒオに虐げられて喜んでいるようなんです なかなか男と女は難しいですね ナタリア自身もそれには気付いてないのかもね それで慕ってくれるハビエルに惹かれたのかも
ナタリアを演じるのがカロリーナ・バング
スタイル抜群でその淫靡な雰囲気は全身から漂ってます 曲芸師なんですがラストは凄惨でした
美しいのも罪なんでしょうか?
ハビエルはスペイン内戦時代に父を戦争に持って行かれてトラウマとなっているようです ピエロが剣で敵をズバズバと斬るのは迫力ありましたよ
詳しくありませんがスペインの内戦は凄惨な時代だったんでしょう 本作内でもその内戦の傷痕が描かれていて、テロも描かれてハビエルはテロ実行犯扱いされちゃいます
この辺はスペインの黒歴史なんでしょうね フランコ総督時代など詳しくないですがスペイン映画にはよく描かれてますね 歴史も知ってたらもっと楽しめる作品ってありますよね
カルト的人気を誇るスペインのアレックス・デ・ラ・イグレシア監督が、ピエロ同士の狂気に満ちた戦いを描いた異色作 それが『気狂いピエロの決闘』です。
気になってた作品がやっと観れました メチャメチャな展開ですが楽しめました