『ミッドナイトFM』
2010年 韓国
《スタッフ&キャスト》
監督 キム・サンマン
脚本 キム・フィ/キム・サンマン
撮影 キム・テギョン
音楽 キム・ジュンソン
出演 スエ/ユ・ジテ/マ・ドンソク/チョン・マンシク/チェ・ミンギュ/シン・ダウン/イ・ジュナ/チェ・ヒウォン/チョ・ソギョン/カク・ピョンギュ
《解説》
その夜、予期せぬ戦慄のON AIRがスタートする
パク・チャヌク監督の傑作「オールド・ボーイ」などの実力派ユ・ジテが、ヒロインを追い詰める狂気の男に扮したサスペンス・スリラー
「夏物語」のスエが初のスリラーに挑戦し、家族を守ろうと奮闘する主人公を熱演
本作が2作目という新鋭キム・サンマン監督が俳優の魅力を存分に引き出し、韓国の映画祭”青龍賞”ではスエが主演女優賞を受賞している
《物語》
深夜の人気FMラジオ番組「真夜中の映画音楽室」のDJをつとめるのは元TVアナウンサーのソニョン 5年間続けてきたレギュラー番組を留学を理由に降板
留学は言い訳で、実は娘のウンスの失言症治療の為に渡米を決意したのだ ソニョンは人気がある反面、ファンの手紙やプレゼントなどを即ごみ箱に捨てるシビアな一面を持つ
そして迎えた番組最後の夜、ソニョンの最後のオンエアが始まった その頃、ソニョンの自宅マンションに見知らぬ男が侵入 妹のアヨンをスパナで一撃し、縛り上げる 眠っているアヨンの娘を起こさぬように縛る しかしソニョンの娘ウンスの姿が見当たらない
オンエア中にソニョンの自宅から電話 てっきりアヨンだと思ったら知らない男からだった イタズラだと思いアヨンの携帯にかけてみると同じ男が出た
男は自分のリクエスト通りに進行しなければ家族を殺すと脅迫 ソニョンは警察に自宅の様子を見てほしいと連絡 さっそく警官が2人やってきたが部屋の中でスパナで撲殺
オンエア中にどこからか携帯の着信音が鳴った 探すとゴミ箱の中のプレゼントの箱の中から あわてて開けると中に携帯 出てみるとTV電話でソニョンの自宅から
携帯の画面には血まみれのアヨン 男は警官が来たことに怒り、指示に従わなければ家族を殺す 男のリクエストに応えるが事情を知らないディレクターが曲を代え、アヨンは殺されてしまう
なぜ自分がこんな目に遭うのかわからないまま家族を救う為、単独で犯人と戦わなければならない 最後の放送が悪夢のように変わる
《感想》
決して主人公のソニョンが好感が持てる素敵な女性と言うわけではなく、ちょっと嫌な面も見せてます 例えばファンの手紙はゴミ箱行きだし、横柄な態度の時もあります それに番組と彼女の熱狂的なファンをストーカー呼ばわりしてキツイ視線を送ります
でもね、このストーカー呼ばわりされてるファンがそこそこ活躍するんです それに犯人のドンスも熱狂的なファンなんです ファンの善と悪が同時に現れたようですね
このドンスは悪い奴を殺して社会的貢献をしていると勘違いしている不気味な奴なんです ソニョンがアナウンサー時代に法の網を掻い潜った奴や司法を非難して物言うアナウンサーと言われ、悪い奴が殺された事件で賞賛したことでドンスは彼女のストーカーとなったようです
なにが凄いってこの2人はラジオでの放送をほぼ覚えてるんです DJのソニョンも忘れてること完璧に言ったりして、いくらファンでもちょっと引いてしまうソニョンの気持ちもわかりますね
そのソニョンを演じるのがスエ
凄い美人ってわけじゃないけど、ちょっと影を感じさせる人です 韓国では涙の女王と言われてるとか
設定としては少し若いような気がしましたがソニョンはシングルマザーなんです その娘が失言症でこの子が良かったです どの病院も結果が出なくて渡米を決めたんです
番組を降板することでドンスが動き出しました このドンスを演じたのがユ・ジテ 「Mirror 鏡の中 」「親切なクムジャさん」「オールド・ボーイ 」も素晴らしくよかった屈指の演技派です
展開が唐突な感じもしますがハラハラ感はありましたよ ストーカー同士のせめぎ合いや、警察や暴走族とのカーチェイスもあって予想より派手な展開ですがテンポよく進んでいきます
いつも観る韓流クライムサスペンスのような残酷な場面もありません 割りとカジュアルなスリラーとでも言ったらいいかな? 前半は密室劇なんですけど後半はアクション色が強くなります
韓国全土を震撼させたサイコ・スリラーついに日本上陸! それが『ミッドナイトFM』です。
良いストーカーをもう少し賞賛してあげても良かったと思いました(笑)