『リング』
１９９８年 「リング」「らせん」製作委員会
《スタッフ＆キャスト》
監督 中田秀夫
原作 鈴木光司
脚本 高橋洋
撮影 林淳一郎
音楽 川井憲次
出演 松嶋菜々子／真田広之／中谷美紀／竹内結子／佐藤仁美／しみず霧子／大高力也／村松克己／松重豊／柳ユーレイ／李鐘浩／雅子／伴大介／沼田曜一
《解説》
日本映画界にホラー・ブームを巻き起こしたヒット作
ＴＶドラマ化もされるなど、６０万部を越えるベストセラーとなった鈴木光司のホラー小説を映画化 呪いのビデオテープの謎にとりつかれた男女の身の毛もよだつ恐怖の行方に迫っていく
「女優霊」の中田秀夫がメガホンを取り、グロテスクな描写やショック演出に頼らない正統派の恐怖映画に仕上げている
《物語》
女子高生の大石智子が苦悶の表情で死んでいるのが自宅で発見された 一緒にいた友人の倉橋雅美はそのショックで入院 女子高生らの噂では、呪いのビデオの仕業ではないかと
テレビ局のディレクターである浅川玲子は都市伝説の取材で、見た者を一週間後に死に至らしめる、呪いのビデオの噂を聞く
その、呪いのビデオに関わったと噂される男女が奇妙な死を遂げた 玲子の姪の智子もその１人 同日の同時刻に死亡していることに気付く
調査を開始した玲子は、同時に死んだ智子たち４人は友人関係で、一週間前に伊豆の貸し別荘に宿泊していた
真相を探るべく、伊豆の別荘に赴いた玲子はそこで貸し出されていた不審なビデオを発見 自らもそのビデオを見て、死の宣告を受けてしまう
この、呪いのビデオが本物だと感じた玲子は、離婚した元夫で特殊な能力を持つ高山竜司に相談 竜司は自分もビデオの映像を確認後に資料の為にダビング
そして映っている映像から、これが過去に存在した千里眼という特殊な力を持つ山村志津子に関連したものだと突き止める 竜司はさっそく志津子の故郷の伊豆大島に向かう
そんなある真夜中、玲子は智子の声を聞いた 隣の部屋ではかすかな音がする 玲子がふすまを開けると玲子と竜司の子供である陽一がビデオを見てしまったのだ
玲子は竜司を追って伊豆大島へと向かい、志津子の従兄弟である老人・山村敬と出会う 彼の話では自殺した志津子の娘である山村貞子は念じるだけで人を殺せる恐るべき超能力者だと聞かされる
貞子もまた母親の力を受け継いだせいで、千里眼の研究をしていた伊熊博士によって井戸に突き落されて殺されていたのだ
玲子と竜司はこの貞子こそが、呪いのビデオを生み出した正体だと確信する 呪いを解くには貞子の遺体を井戸から引き上げてやること
その井戸は伊豆の貸し別荘にあった 井戸に潜り、貞子の遺体を捜す玲子と竜司 しかし玲子の予告された死まで時間がない
死にもの狂いで遺体を捜しだし、貞子の白骨死体を発見 玲子は時間がきても死に至らず、胸を撫で下ろした
しかし翌日、竜司の自宅テレビに映し出された井戸から這い上がってくる貞子の姿を目撃 それはテレビ画面をすり抜けて竜司の目前に迫り、狂気の目で彼を睨み、断末魔の末に竜司は殺された
竜司の死を知った玲子は陽一にかけられた呪いが解けていないことに気付く そしてある結論に辿り着き、陽一を救う為に車を走らせる
《感想》
この作品は日本映画の金字塔の一本だと思います 世界中で公開され、リメイクされ、Ｊホラーという言葉まで作った映画です
おいらは映画化される以前に原作を読んでました 当時はそんなに話題になってなかったと記憶してます それがジワジワと人気が出たようで、スペシャルドラマ化 たしか高橋克典と原田芳雄だったと思います
そしてこの映画化 「女優霊 」の中田秀夫監督という事で期待しました でもまず、松嶋菜々子の主演にビックリです 男２人の物語が男女２人になるとは やはりお客を呼ぶためなのか 華やかさが必要だったのかな？
でも映画の出来はまずまずでした 山村志津子のモデルとなった人物は過去に実在しました 同じように千里眼を持っていたようですが、同じように非業の死を遂げたようです
原作では呪いはウイルスとなりました 天然痘ウイルスです 日本では絶滅されたはずのウイルスを蘇らせたんです 呪いのビデオとはよく出来てますよね
その山村志津子の娘が山村貞子 このキャラクターは日本では、四谷怪談のお岩さん以来のキャラクターではないかと思ってます それほど日本中の人が知ってるほどの貞子
ハリウッドや韓国でもリメイクされ世界中で日本のホラー映画の底力を見せ付けました ちょっと見せ付け過ぎて、日本＝ホラーみたいになってしまいましたね
本作で竹内結子がデビュー 初々しいです
同時上映だった「らせん」はいきなり松嶋菜々子が事故で死んでしまって、真田広之は解剖されて、そこから謎を解くミステリータッチな作風だったと記憶してます
そして「リング２」では死んだはずの松嶋菜々子が登場 身を隠してたってことになってました ここでは中谷美紀が主役ですが、あんまり怖くないんです この作品で深田恭子がデビュー
続く「リング０ バースデイ」では若き日の貞子を描いてます 井戸に落とされ死に至るまで 過酷な運命を背負った人間ドラマの見方も出来るのでは しかも貞子を演じるのが、仲間由紀恵
竹内結子、仲間由紀恵出演作品の「ＦＬＯＷＥＲＳ 」はこちら
そして次はいよいよ「ループ」の映画化かと思われていたのですが、映画化されず沈黙でした でも「リング」から１４年後に「貞子３Ｄ」なる映画が公開されました
これには本当にビックリ オリジナル作品かと思ったら原作は鈴木光司
呪いの動画なる物が噂されるんです 石原さとみ演じる、女子高教師の鮎川茜の生徒もその動画を見て自殺 自殺者の連続に警察も頭を悩ませていますが、呪いの動画の噂に行き付きます
そして茜もパソコンの中から現れた女を目撃 茜の悲鳴で女は消えるが茜には特殊な力を持っていた それに動画を最初にアップロードした人物は「Ｓ」の復活を目論んでいた
と、こんなあらすじですが、まったく怖くなかった これは「リング」シリーズなのか？ 石原さとみもかなり悲鳴を上げてましたがなんかね 最近、綺麗になりましたね
おいらがこれを観た理由は、史上最高に美しい貞子と言われた橋本愛 いつ出るのかと思ってたら終わりかけでしたよ（笑）
「告白 」「桐島、部活やめるってよ」の彼女です これからの日本映画を背負っていく逸材となるか
彼女は綺麗ですが、貞子としては如何なもんかな？ 正直、若いからか迫力に欠けた感じがしました
ＰＣやスマホからや街頭ビジョンからも飛び出してくる貞子ってなんか派手じゃないですか？ 呪いのビデオを見た者だけが貞子の姿を見るのですが、ジワジワと来るんじゃなくてガバッと来ます
この作品にも続編がありそうで「貞子３Ｄ２」だって（笑） せっかくの貞子ってキャラクターが台無しですわ
やはり第一作に勝る物はないですね 角川映画もネタがないのかな？ だからって貞子を復活させなくても（汗）
ビデオに殺されるなんて… それが『リング』です。
こうなってくると「ループ」の映画化を望みたいです
