『ブルーバレンタイン』
２０１０年 アメリカ
《スタッフ＆キャスト》
監督 デレク・シアンフランス
脚本 デレク・シアンフランス／ジョーイ・カーティス／カミ・デラヴィーン
撮影 アンドリー・パレーク
音楽 グリズリー・ベア
出演 ライアン・ゴズリング／ミシェル・ウィリアムズ／フェイス・ワディッカ／マイク・ヴォーゲル
《解説》
愛を知る誰もが経験のある、しかし誰も観たことのないラブストーリー
新鋭監督デレク・シアンフランスが１０年の歳月を費やした緻密な脚本が、サンダンス映画祭とカンヌ映画祭の観客を魅了し喝采を浴びた新感覚ラブストーリー
結婚７年目の夫婦の現在と過去を交互に捉え、出会いから慟哭のラストまでの恋愛を描いてゆく 主演は「君に読む物語」のライアン・ゴズリングと「ブロークバック・マウンテン」のミシェル・ウィリアムズ
《物語》
ディーンとシンディの夫婦は娘のフランキーと一軒家に３人暮らし シンディは看護師として働き、その真面目で努力する勤務態度を見込んだ医師から新しい病院での働きを打診されていた
夫のディーンの仕事はペンキ塗り 朝からビールを飲みながらの仕事だ しかし娘との時間はたっぷりと持てる
ふたりは相手に対して不満を抱いているが、その話になるといつもケンカになってしまう
ふたりの出会いは引っ越しのアルバイトをするディーンが医学生のシンディに一目惚れしたのが始まりだ 男を信用出来ないシンディはいつも体だけの付き合い
最後の彼氏のボビーは避妊もしないでセックスする男でその身勝手さにあきれて一方的に別れを告げた
ディーンの誘いに最初は相手にしなかったシンディだったがその真剣なディーンに次第に心を開いていった
そんな中、シンディの妊娠が判明 ボビーの子供である可能性が高い 一度は中絶しようと病院にも行ったが出来なかった そんなシンディを見てディーンはプロポーズ
ボビーによる暴力や、家族の反対にあいながらもふたりはひっそりと結婚式を挙げたのだった
ある日、ペットの犬が事故死してしまう 可愛がっていた娘に覚られぬように庭に埋葬 その悲しさに耐えきれないディーンはシンディを誘ってラブホテルへ そこで酒を飲んで酔いたかった
途中に寄ったスーパーマーケットでシンディはボビーと偶然出会う あいさつ程度の会話をするが、それを聞いたディーンはすっかり機嫌が悪くなる
シンディはディーンをなだめようとするが聞く耳を持たない ディーンはシンディを求めるがシンディは拒否
そのまま朝を迎え、酔い潰れて眠るディーンを残してシンディは仕事に向かう ひとり目覚めたディーンは腹を立て、酒を飲んで彼女が勤める病院へ押し掛けた
そこで口論となり、止めに入った医師を殴ってしまったディーン もうふたりは後戻り出来ないところまできてしまった
《感想》
はっきり言って何が描きたかったのか？ でもリアルな恋愛と夫婦生活ってこんなもんなんじゃないかな
一般人のカップルに映画やドラマのようなドラマティックな展開はありませんよ ある意味これこそが究極のラブストーリーなのかもしれません
出会ったときの毎日が幸せでお互いに求め合い、その人以外はなにもいらないような幸せな日々です 誰にでもそんな瞬間があったと思われます
しかし本作のように結婚７年目になると、いろいろと変わってきます ディーンは生活ギリギリの仕事で家族の時間をたくさん持ちたい、特に娘との時間ですが
シンディは自分が看護師という仕事をして更に向上しようと日夜努力しています これが夫婦の意見の隔たりなんですね
ビールを飲んでするような仕事ではなくまともな仕事に就いてほしいと思うシンディと、そのシンディに劣等感を持っているようなディーン
かつてはあんなに愛し合ってたふたりも溝は深まるばかり お互いに不満と苛立ちばかりが募ってしまいます
主演ふたりのその自然体で体当たりな熱演が絶賛され、特にライアン・ゴズリングは「ドライヴ 」の時と印象違いますね
何と言ってもおいらはミシェル・ウィリアムズに釘付け（笑）
「ブローン・アパート 」でも体当たりな演技でしたが本作でもレイティング指定されそうになったほどにセックス・シーンを演じています これからバンバンと賞を持っていくような女優になりそうですね
永遠に変わらない愛なんて、ないの それが『ブルーバレンタイン』です。
かつての愛が姿を変えてしまうのは悲しいですね ラストはフェイス・ワデッカの演技に涙
