『ブローン・アパート』
2008年 イギリス
《スタッフ&キャスト》
監督・脚本 シャロン・マグアイア
原作 クリス・クリーヴ
撮影 ベン・デイヴィス
音楽 梅林茂/バーリントン・ボネッリ
出演 ミシェル・ウィリアムズ/ユアン・マクレガー/マシュー・マクファディン/ニコラス・グリーヴス/シドニー・ジョンストン/サーシャ・ベアール/エドワード・ヒューズ
《解説》
情事の午後に息子が死んだ 爆破事件に巻き込まれて… 欲望と心を引き裂く、愛と裏切りのサスペンス
欧米で評判を呼んだクリス・クリーヴの処女小説「息子を奪ったあなたへ」を「ブリジット・ジョーンズの日記」のシャロン・マグアイア監督が映画化 不倫相手との情事中に夫と息子を自爆テロの巻き添えで失ったヒロインの苦悩と、事件の裏に潜む驚愕の真相を描く
良き母でありながら欲望に翻弄され、絶望の中から真実に近づいていく女という難しい役を演じ切ったのは、アカデミー賞助演女優賞にノミネートされる若手実力派ミシェル・ウィリアムズ テロ事件の裏に潜む闇に気付き、それを追究していく新聞記者を演じるのは、実力派ユアン・マクレガー
《物語》
ロンドン・イーストエンド 公営団地に住む若い母親 彼女は警察の爆弾処理班の夫レニーと4歳の息子と共に平凡だが幸せな生活を送っていた
彼女は何よりも息子を愛し、坊やと呼び、坊やには誰よりも優しい母がいた
夫は昼夜問わず危険な仕事の為、常に緊張状態にあり夫婦の関係は暖かいものとは言えなかった
ある夜、電話で呼び出され爆弾処理の任務へと向かう夫を見送った彼女は夫の無事を祈るとともに緊張と孤独に耐えきれずパブへと出掛ける そこで声を掛けてきた若い男ジャスパーだった
彼は彼女を口説けるか友人と賭けをしたのだが彼女のストレートな物言いに軽く衝撃を受け、惹かれていく
ジャスパーは彼女の公団の向かいにそびえ立つ高級アパートに住む新聞記者だった
そのまま2人は欲望のままに関係を持ってしまう その頃夫レニーは爆弾処理のストレスで嘔吐を繰り返していた
ある晴れた5月1日、アーセナルの熱狂的なファンの夫と息子は試合が行われるスタジアムへ
2人を送り出した彼女は帰り道、高級車で同じ試合を観戦に向かおうとしていたジャスパーにばったり会う
彼女はジャスパーの口説きに負けて部屋へと招いた 2人はソファーで抱き合い激しいセックスに溺れる
テレビではサッカー中継が始まったが突然に爆音が響いた 画面は地獄と化した スタジアムが爆破されたのだ
我が子を助けたい一心でジャスパーと共に混乱する現場に向かいスタジアムに走り込むが彼女の上に瓦礫が崩れ落ちた
彼女が目を覚ましたのは病院のベッドの上 あの日、息子も夫も命を奪われ、死者1003人のテロ事件となっていた
罪悪感、後悔、哀しみ 彼女の世界は動きを止めた
しかしそこには警察が隠す驚愕の事実があった
《感想》
期待して観たのですがちょっと違った でも作品としては好きです
若い母親が爆弾テロで夫と幼い息子を失う しかも浮気相手との情事の最中に こんな衝撃的な悲劇から始まります
もう絶望の淵に叩き落された女性の脆さや息子への深い愛情と哀しみを描きつつ、テロの驚愕の真実が明らかにされていく展開
若い母親を演じるミシェル・ウィリアムズが痛々しいです 実際に瓦礫の下敷きになって傷だらけになります そんなことより心の傷の方が痛い
若い母親なのでこんな短いスカート そりゃ声かけられるよね 意識して短いスカートをはいているのかも まだまだ女でいたいために
ミシェル・ウィリアムズはキツ目の顔立ちですが色っぽかったです ちょっと気だるさがあってね
この下着姿の写真は閲覧禁止になるかな? 本作でもそのボディを惜しげもなく晒してくれます
もちろん不倫のシーンですが、やはりその背徳感や罪悪感から生まれる快楽は忘れられないのでしょうか? そこに愛なんてものは存在せずにただただ肉欲による快楽の為にその時を過ごしているのでしょうか? それによって取り返しのつかないことになっても快楽からは逃れられないのかもね
ミシェル・ウィリアムズ演じる彼女は夫はともかく息子には溺愛していてラストはそれが痛々しいくらい辛かったです
驚愕の真実はそんなに驚愕でもなくてサスペンスな雰囲気になるかと思ったら肩すかしでした イギリスではこんなテロはよくあるのか警察が事実を隠すこともあるかもね
息子を失い、私の世界は動きを止めた その爆破事件の真実を知るまでは… これが『ブローン・アパート』です。
ラストにささやかな幸せが訪れ救われた気になります