『シャイン』
1995年 オーストラリア
《スタッフ&キャスト》
監督・原案 スコット・ヒックス
脚本 ジャン・サーディ
撮影 ジェフリー・シンプソン
音楽 デビッド・ハーシュフェルダー
出演 ジェフリー・ラッシュ/ノア・テイラー/アレックス・ラファロウィッツ/アーミン・ミューラー・スタール/リン・レッドグレーブ/ジョン・ギールグッド/グーギー・ウィザース/ソニア・トッド
《解説》
誰があなたを輝かせるの、あなたは誰を輝かせるの
ピアノの天才少年と呼ばれ、一度は精神を病みながら、ハンディキャップを越えて復帰した実在のピアニスト、デイヴィッド・ヘルフゴッドの半生を基に描く感動の音楽ドラマ
監督はテレビのドキュメンタリー出身のスコット・ヒックス、製作はジェーン・スコット、ヘルフゴッド夫妻に取材したヒックスの原案を基に、ジャン・サーディが脚本を執筆、音楽はデビッド・ハーシュフェルダーで、ピアノ演奏はヘルフゴッド自身によるもの
出演は成人したデイヴィッド・ヘルフゴッド役を23年間舞台での俳優・演出のキャリアを持つジェフリー・ラッシュ、10代を「ペテルブルグの幻想」のノア・テイラー、幼少期をアレックス・ラファロウィッツが演じた
《物語》
激しい雨の夜、びしょ濡れでレストランのドアを叩いたデイヴィッド・ヘルフゴッド、閉店と言われたが店の中に入れてもらい早口で喋りまくるデイヴィッドに従業員のシルヴィアはその陽気なデイヴィッドを下宿先まで送ってやった
デイヴィッドは幼い頃から厳格な父ピーターにピアノを叩き込まれ、町のコンテストで審査員が驚くほどの才能があったがピーターの評価はとても厳しくデイヴィッドを認めない
コンテストの審査員のローゼンはデイヴィッドの指導を申し出るがピーターは独学で教えると言って拒否、しかしピーターはラフマニノフを弾かせることを条件にローゼンにデイヴィッドを預けた
努力のかいあってコンクールに優勝、ローゼンはアメリカ留学を薦め、留学資金を集めるパーティでピーターはいい顔をしない、息子を手放すことを断固拒否をする
全豪一を決めるコンクールで準優勝だったデイヴィッドにロンドンの王位音楽学校の奨学金を受けるチャンスを得る、今度こそ自分の才能を試すことを決意し、父を振りほどいてイギリスへと旅立った
ロンドンでの生活は素晴らしくパークスに師事して彼から天才と評される、そして英国王立音楽院のコンクールで最終審査に残ったデイヴィッドは世界一難しい大曲と言われるラフマニノフのピアノ協奏曲第3番を選ぶ
正気の沙汰じゃないとパークスに言われるが練習に次ぐ練習、コンクール当日にデイヴィッドは見事な演奏を披露するがその直後にデイヴィッドの精神は崩壊してしまう
その後、精神病院で十数年を過ごすデイヴィッドはファンと言う女性の世話になって退院するが、破天荒な行動ばかりするデイヴィッドはとある下宿で暮らすことになった
ある雨の夜に閉店後のレストランのドアを叩いたデイヴィッド、従業員のシルヴィアは後日に店の中のピアノを弾くデイヴィッドを見て店の専属ピアニストとして大人気となる
新聞にも取り上げられて有名となったデイヴィッド、やがてシルヴィアの紹介で星占い師のギリアンと運命的な出会いをする
《感想》
この作品は好きでよく観てます、大人となったデイヴィッドを演じるのは、オーストラリアを代表する俳優のひとり、ジェフリー・ラッシュで精神の崩壊したデイヴィッドを演じてアカデミー主演男優賞やその他の賞を総なめ
いつもタバコを咥えていて吃音のような喋り方で挙動不審で、それでいてアーティストなんです、ピアノはジェフリー・ラッシュが演じていますが演奏はデイヴィッド・ヘルフゴッド本人なんです
少年時代のデイヴィッドを演じるのがノア・テイラーで父親のピーターの暴力にも耐えてピアノを一生懸命に練習して王位音楽学校で師と仰ぐパークスに天才と言わしめます
子供時代のデイヴィッドを演じるのがアレックス・ラファロウィッツで天真爛漫なのですが幼い頃からピアノの才能は秀でてるんです、ピーターのスパルタ教育でコンテストで優勝するほどに、審査員のローゼンに指導をさせて欲しいと言わせるほどなんです
ピーターを演じるのがアーミン・ミューラー・スタールで自分の音楽の夢をデイヴィッドに託し、独学でピアノを叩き込むんです、ピーターには娘が2人いますが一家は全員ピアノが弾けます
こんなにデイヴィッドをピアノで開花させたにもかかわらず自分の手元から離れるのは拒否するんです、家庭が崩壊するとか勘当とかデイヴィッドを脅すなことまで言ってね
デイヴィッドはラフマニノフの協奏曲第3番を弾いて精神が崩壊してしまうんです、その前に世話になった女性キャサリンの死を知ったり、練習練習でのストレスなどで圧し潰されたのかも
精神病院で十数年過ごして退院してピアノのある下宿先でずっと弾いてるのですが、夜も眠れない大家にピアノに鍵を掛けられて外をウロウロしているとピアノが置いてあるレストランを見つけて中に入って行くんです
そこで出会ったシルヴィアに優しくされて、後日に店に勝手に入ってピアノの前に座るんです、客やウエイターらが笑って見ているところでいきなり素晴らしい演奏をするんです、おいらはこのシーンが大好きでね
その後にシルヴィアにギリアンを紹介されるんです、婚約者のいるギリアンでしたがいきなりデイヴィッドに結婚しようと言われて戸惑うのですが、純真なデイヴィッドに惹かれて結婚、これが運命だったのか実話だけに説得力あります
このギリアンがいてデイヴィッドはピアニストとして再起することになるのですが、この夫婦の物語はドキュメンタリーとして映画にもなってますよね、「デイヴィッドとギリアン 響きあうふたり」として
人生が輝く瞬間、それはいつも思いがけないときにやってくる それが『シャイン』です。
もう何回も観ましたが、また久しぶりに観ましたよ、デイヴィッドが不潔であまり美化してないとこが良かったな