『十二人の死にたい子どもたち』
2019年 「十二人の死にたい子どもたち」製作委員会
《スタッフ&キャスト》
監督 堤幸彦
原作 冲方丁
脚本 倉持裕
撮影 斑目重友
音楽 小林うてな
出演 杉咲花/新田真剣佑/北村匠海/高杉真宙/黒島結菜/橋本環奈/吉川愛/萩原利久/渕野右登/坂東龍汰/古川琴音/竹内愛紗/とまん
《解説》
未体験リアルタイム型・密室ゲームがスタート!
「天地明察」「光圀伝」といった時代小説や「マルドゥック・スクランブル」などのSF小説で人気の作家・冲方丁が初めて現代を舞台に描いたミステリー小説を、「イニシエーション・ラブ」「トリック」など数々のヒット作を送り出してきた堤幸彦監督が映画化、出演には人気若手俳優がそろい、脚本は岸田國士戯曲賞受賞経歴を持つ劇作家の倉持裕
《物語》
とある廃病院にサトシが裏口から入っていく、受付に金庫がありその中に到着順に数字の書かれたプレートを取る、サトシは①のプレートを取った
地下一階の多目的ホールがありそこがこの集いの会場となる、次に来たケンイチ②は待合室で雑誌を見ている、ゴスロリの格好をしたミツエ③はトイレで涙を我慢し、スニーカーの片方を見付けた
ニット帽とマスクで顔を隠したリョウコ④は警戒しながらある部屋に隠れるが走る黒い影を見た、自動ドアの前でモップを持ったシンジロウ⑤は物音を聞いた
入口に迷っていたメイコ⑥に黒い服のアンリ⑦が声を掛けて一緒に中に入った
降りてこないエレベーターを待っているノブオ⑨に金髪にサンダルのセイゴ⑩が声を掛けてエレベーターを調べに階段を上がると屋上から下りてきた吃音のタカヒロ⑧と出会った
エレベーターのドアに椅子が挟んでありそれを外して三人で地下一階へと向かう、一階ではギャルのマイ⑪が到着し、最後にユキ⑫が番号の書かれたプレートを手にした
全員が集いの部屋に入るとすでに①のベッドに男の死体を発見、すると最後にこの企画を準備しサイトの管理者であるサトシが入ってきて十二人が揃い説明を始める
しかし死体に気付いたサトシは「あの方はどなたですか?」、すべてを一人で準備してきたサトシはこの不測の事態に対してこのまま目的を実行するか否かを挙手を求めるとケンイチが手を上げた
謎が解明されなければ反対だと、シンジロウは死体の横に何故か車椅子があり、飲んだと思わせる睡眠薬は致死量には少ない、それに嘔吐した痕跡もない
つまり死体を誰かがここに運び自殺に見せかけた殺人、参加者たちは話し合いになるがその中で徐々に死にたい理由が明らかになっていく
《感想》
期待せずに観たからなのか予想より面白かったです、こういうシチュエーションドラマは大好きで、廃病院の中だけで全てが行われる展開がまず良かったです
レビューでは書かなかったのですが廃病院で行われるのは集団自殺なんです、それも未成年限定の集団自殺なんです、サイトで十二人の自殺希望者を募って廃病院で実行する予定なんです
それは先着順で十二人の自殺希望者が集まり、暗証番号で廃病院に入って地下一階の多目的ホールでの集いとなるんです、一人ずつ廃病院に入って来るシーンはみんな一癖ありそうで緊張感ありましたね
①のサトシを演じるのは「散歩する侵略者」の高杉真宙で彼が自殺希望者を募るサイトの管理者でこの廃病院も彼が管理しているようです、もちろんサトシも自殺希望者なんです
②のケンイチを演じるのは渕野右登でケンイチは空気を読めないおちゃらけ者なのでイジメの対象になったんです、③のミツエを演じるのは「チワワちゃん」の古川琴音でゴスロリファッションで見た目は近寄りがたい雰囲気です
④のリョウコを演じるのは「銀魂」の橋本環奈で役柄は芸能人の秋川莉胡で本名がリョウコなんです、芸能人なので全てを管理された生活に嫌気が差してこの集いに来ました
⑤のシンジロウを演じるのが「コード・ブルー ドクターヘリ緊急救命」の新田真剣佑、彼は病気で治る見込みがなくて自らその人生を閉じるためにやってきました
⑥のメイコを演じるのが「ストレイヤーズ・クロニクル」の黒島結菜、お嬢様っぽい見た目とは裏腹に自殺に反対する者が現れると強い口調で攻撃するんです、なかなか扱いにくい女子ですね
⑦のアンリを演じるのが「湯を沸かすほどの熱い愛」の杉咲花で彼女が登場するだけで画面に力が入ります、彼女も気が強く言葉も達者でまくし立ててます、もうすでに大女優の貫禄があります
⑧のタカヒロを演じるのは「志乃ちゃんは自分の名前が言えない」の荻原利久、彼は吃音で前出演作でも吃音がテーマになっていたと思います、でもそれが理由で参加したようです
⑨のノブオを演じるのが「スマホを落としただけなのに」の北村匠海です、彼はアンリと一緒にいるシーンを見ると背の高さが際立って見えますね、物静かな雰囲気を醸し出していましたね
⑩のセイゴを演じるのが坂東龍汰で不良全開なのに自殺希望者って理由がこれまた凄いんです、⑪のマイを演じるのが吉川愛でこちらもギャル全開でその理由はちょっとね、⑫のユキを演じるのが竹内愛紗でちょっと印象は薄いです
ちょっと長くなってしまいましたが個人的には好きな作品です、観る前はちょっと舐めてましたもん、「イニシエーション・ラブ」の堤幸彦監督が若手俳優たちを上手く料理しましたね
死にたいけど、殺されるのはイヤ それが『十二人の死にたい子どもたち』です。
十三人目の死体を発見すると殺されるのではないかと恐怖はありますが、死にに来たのに矛盾しているように感じますが人間ってそんなもんです