『バッド・ジーニアス 危険な天才たち』
2017年 タイ
《スタッフ&キャスト》
監督・脚本 ナタウット・プーンピリヤ
脚本 タニーダ・ハンタウィーワッタナー/ワスドーン・ピヤロンナ
撮影 パクラオ・ジランクーンクム
音楽 フアランポン・リディム/ウィチャヤー・ワタナップ
出演 チュティモン・ジョンジャルーンスックジン/チャーノン・サンティナトーンクン/ティーラドン・スパパンピンヨー/イッサヤー・ホースワン/タネート・ワラークンヌクロ
《解説》
まとめて合格、請け負います
中国で実際に起こったカンニング事件をモチーフに製作されたタイ映画で、同国で大ヒットを記録したクライムエンタテインメント、天才少女を中心とした高校生チームが世界規模のプロジェクトに挑む姿を描いた
高校生版「オーシャンズ11」の呼び声高く、世界16の国と地域で、サプライズ大ヒット!スタイリッシュでスリリングな、第一級クライム・エンタテインメント、クライマックスは、28分間におよぶ手に汗握る、史上最大のカンニング・シーン!
《物語》
中学1年全科目最高評価、リンダラーは小学1年からオールAで中学でも常に首席で教師である父と2人暮らし、より良い学校に入れたい父はリンダラーをクルンテープ・クウィーパンヤー高校に転入させようと校長に話をする
しかしリンダラーは学費や交通費やランチ代などで割に合わないと計算すると校長は「我が校はリンダラーの頭脳を評価し、授業料は無償でランチも提供する」と言われて入学を決めた
そこで性格は良いが成績の悪いグレースと仲良くなり、グレースは規則で成績が一定以下だと部の演劇に出れない規則があるとリンダラーに嘆く
特に数学が苦手なグレースにリンダラーは勉強を教えてテストに臨んだが答えがわからないグレースに答えを教えてしまいカンニングに手を貸してしまった
試験の結果はグレースは一定の成績がとれてお礼がしたいと彼氏であるパットの家に招待された、パットは金持ちの息子で悩みの種は成績、パットはリンダラーに報酬と引き換えに協力してほしいと頼む
一科目3000バーツで13科目で5人の仲間にカンニングさせて23万4000バーツ、リンダラーはピアノでの手の動きを利用して試験中に答えを教えて大金を得た、次第にリンダラーのカンニングを利用する生徒が増えていく
リンダラーはもう1人の奨学金のバンクと「十代の天才」というTV番組に出演して見事に優勝、学校からはシンガポール大使館が奨学金を募り、リンダラーとバンクをそれに推薦するが残念なのは1人だけ
バンクはリンダラーのピアノコードでのカンニングの噂を聞いてそれを良く思わずカンニングを告発する、それによってリンダラーはシンガポール留学の奨学金を取り消される
そしてアメリカの大学に留学するために世界各国で行われる大学統一入試を舞台にカンニングビジネスの集大成としてトリックを仕掛けて、リンダラーは1人では無理なのでバンクを仲間に引き込もうとする
《感想》
以前に時差を悪用したカンニングが行われたとニュースで見た記憶がありました、多分本作のモチーフとなった事件だと思います、それを青春の1ページのように描いていきます
最初は軽い気持ちで答えを教えた程度のことでリンダラーも少し罪悪感があったんです、でもリンダラーは天才で優秀な学校の中でも1、2を争うほどなんです
友達のグレースが困っているのをほんの少し助けただけなんです、最初はね、でも自分は奨学金を受けて学校に通う決して裕福ではない貧しい家庭の子供なんです
グレースやその彼氏のパットは金持ちでプール付きの家に住んでます、この境遇の違いが彼女の心に何か嫉妬や憎悪のような火が灯ったのかもしれませんね
そこでパットに持ちかけられるんです、一科目3000バーツでカンニングさせてほしいと、大体1バーツは3.5円なので約10500円くらいです、しかも13科目で5人の仲間に教えて23万4000バーツとなります、なんと約819000円です!
それだけあったら貧乏な女子高生でもなんでも出来ますよ、その大金のためにいろんなカンニングの仕方を模索するのですが指で机を叩いてピアノコードで教える方法を思いついて成功するんです
でも中にはそのピアノコードを覚えられない奴もいて、そいつはバンクにカンニングさせてほしいと泣きつくんです、その時にリンダラーのカンニングを聞かされて校長に告発するんです、これによってリンダラーは奨学金を取り消されてしまいます、品行方正ではなかったということね
バンクは試験の当日にチンピラに襲われて試験を受けれなくて将来の道が閉ざされてしまいます、そこでリンダラーに誘われていた時差を使ったトリックのカンニングを手伝うことにするんです
しかしチンピラに襲われたのはパットの仕業でこれにバンクは怒り爆発でこのチームは崩壊するかと思われたのですが、ここまで落ちたら一緒だと思ったのかバンクはリンダラーと一緒にオーストラリアで試験を受けるんです、そしてそこからネットで答えを送ろうとするんです
ヒロインのリンダラーを演じるのがモデル出身で映画初出演となるチュティモン・ジョンジャルーンスックジンでその9頭身のルックスは人の目を引きます、本作公開後には人気が爆発して、2017年のアジアン・フィルム・アワードで新人賞を受賞しました
バンクを演じるのはチャーノン・サンティナトーンクンでタイでは人気で本作が台湾で大ヒットした要因は彼にあると言われてるほどアジアでは人気があるようです、パット役にはティーラドン・スパパンピンヨーで彼はTVドラマ出身で映画初出演です
リンダラーの初めての友人となるグレースを演じたのはイッサヤー・ホースワンで事件の全ての発端となるカンニングを最初にさせた張本人う、監督は彼女を知らなくてアドバイスを受けてオーディションに呼んだところグレース役に即決したそうです、この4人で本作は展開していきます
監督はナタウット・プーンピリヤでTVCM監督を経て2012年に長編映画を初監督した作品がタイのアカデミー賞で3部門受賞し、アメリカのアカデミー賞外国語映画賞のタイ代表に選ばれました、短編を経て本作を完成させて2017年のタイの年間興行収入第1位を獲得、タイのアカデミー賞では史上最多12部門で受賞、これからが楽しみな監督です
8つの国と地域でタイ映画史上歴代ナンバーワンの大ヒットを記録! それが『バッド・ジーニアス 危険な天才たち』です。
映画の中の学生たちはこのカンニングで人生が変わってしまいました、リンダラーとバンクは天才なので善にでも悪にでもなれますよ