『亜人』
2017年 「亜人」製作委員会
《スタッフ&キャスト》
監督 本広克行
原作 桜井画門
脚本 瀬古浩司/山浦雅大
撮影 佐光朗
音楽 菅野祐悟
出演 佐藤健/玉山鉄二/城田優/千葉雄大/川栄李奈/山田裕貴/浜辺美波/品川祐/吉行和子/綾野剛/鈴村健一
《解説》
絶体絶命を、生きろ
2015~16年に劇場3部作とテレビシリーズ2期でアニメ化もされた桜井画門の大ヒットコミック「亜人」を、「るろうに剣心」シリーズの佐藤健と「踊る大捜査線」シリーズの本広克行監督が初タッグを組み実写映画化
命を繰り返すという禁断の設定が活きる驚天動地のバトルアクションと「何と戦ったらいい?」「何を守ればいい?」という不条理な現実での混乱、そして世間とは異質な存在になることへの葛藤が容赦なく描かれるハードサスペンス
《物語》
亜人とは死ぬことができない新しい人類である、どれだけ肉体が傷付いても、一時的に死ぬことで元通りに再生する特徴を持つ、26年前にアフリカで初めて発見され、現在は全世界で46体が確認されている、日本政府は亜人管理委員会を設立し、謎を解明するため日々研究を重ねている
ある日、交通事故で死んでしまった研修医の永井圭は蘇り、何事もなかったかのように立ち上がった、圭はそのときに初めて自分が亜人だと気付いた
それは国内3例目で5年ぶりの亜人の発見で政府によって保護されるはずだった、しかし圭は政府に捕らえられて亜人は人類の進化の貴重な鍵となるので亜人である圭は体の一部を切断される実験を受け、何度もリセットという名の死を与えられ続ける
その研究施設に亜人である佐藤と田中が現れた、2人も過去に圭のように非道的な実験の対象にされて人を憎んでいる、佐藤は3年前にも田中を施設から助け、今回も圭を助けるために現れたのだ
そのために施設の人間を容赦なく殺して佐藤は圭の前に現れた、佐藤は圭を自由にして実験をしていた人間を殺すように促すが、圭は殺人に躊躇し、殺人を楽しむ佐藤を撃ち殺して逃げ出した、蘇った佐藤と格闘の末に施設からの脱出に成功
佐藤は田中と2人で施設の前で記者会見に挑み、政府が亜人を非人道的な実験をしていると公表して、安全に住める亜人自治区の制定を涙ながらに訴える
圭は身を隠すように田舎町を逃げていると老婆が声をかけてきた、老婆は亜人のニュースを知らないようで圭はしばらく老婆の家に世話になることになる
厚生労働省亜人担当の戸崎優は佐藤の証言や流出動画は捏造だと会見し、そんな中、田中は圭の妹の慧理子を拉致しに入院先の病院に行くが、保護しにきた戸崎のSPの下村泉が慧理子を守る、彼女も亜人
国家転覆を狙うテロリストと化した佐藤に対して圭は亜人と人類の壮絶な戦いに身を投じていく
《感想》
不死身の人類の亜人、アニメ版ではオープニングで不死身の兵士が戦場で戦うシーンからだったような記憶があります、それに圭が交通事故で亜人と分かるのですが、亜人を捕まえると賞金が出るので一般人が敵となるんです
でも圭の幼なじみが助けてくれるのですが映画版ではその設定は消えていて、それに圭の設定も少し年上でしたね、圭を演じるのは「何者」の佐藤健でオープニングでいきなり包帯だらけで体を切断されるショッキングな始まりでした
圭と敵対する亜人の佐藤を演じるのが「闇金ウシジマくん ザ・ファイナル」の綾野剛で原作では初老の設定なんですが映画版はかなり若くなりました、でも佐藤が人間に憎悪を向ける理由も分かります、佐藤は20年も非人道的な実験を受けていたんです
もう1人の亜人の田中を演じるのは城田優でその体格は亜人として無敵な印象なんですが何だか城田優が活かされてないような気がしましたね、下村泉との格闘は見応えありました
その下村泉を演じるのが川栄李奈で彼女が1番原作のキャラクターに寄せてますね、慧理子の病室で田中の影の分身に襲われた時に泉もクロちゃんを出して応戦、このシーンは原作と同じですごく良かったです、この分身同士の死闘も凄いんです
小柄な体で田中とド付き合いをするんですが飛びついての関節技なんかは結構練習したでしょうね、元AKB48の中では一番の活躍ではないでしょうか?
厚生労働省亜人担当の戸崎優を演じるのが「ジャッジ!」の玉山鉄二で亜人の泉をSPにして守らせてはいるのですが、田中に倒されそうになったときには逆に泉を守る姿を見せるのですが、亜人を実験していた張本人ですからね
そして佐藤の仲間となる亜人の高橋を演じるのが「ぼくは明日、昨日のきみとデートする」山田裕貴で、車椅子の亜人の奥山を演じるのが「ReLIFE」の千葉雄大
圭の妹の慧理子を演じるのが「君の膵臓をたべたい」の浜辺美波で、最近は彼女のCMをすごくよく見ますよ、ドラマの主役や大作の主役を演じるのも時間の問題なような気がしてしまう、それぐらい勢いが感じられます
監督は「曲がれ!スプーン」の本広克行で、あまり亜人の苦悩などは描かれずにアクションに徹した演出になってましたね、残酷な描写もありましたが一般作なので程々です
まあ2時間くらいではあの壮大な物語を緻密に描くのは無理ですから監督はエンターテインメント作品に仕上げたのでしょうね、原作やアニメとは違いますがそれは仕方ないことですね、でもこの不死身の設定は面白いですよね
絶対に死なない男と絶対に死なない男の終わることなきエンドレス・リピート・バトルが始まる それが『亜人』です。
綾野剛がすごくクセのある演技でいつもと全然違いましたね、憑依型俳優と呼ばれる所以なのかな?