『ローマの休日』
1953年 アメリカ
《スタッフ&キャスト》
監督 ウィリアム・ワイラー
原作・脚本 イアン・マクラレン・ハンター
脚本 ジョン・ダイトン
撮影 フランク・F・プラナー/アンリ・アルカン
音楽 ジョルジュ・オーリック
出演 グレゴリー・ペック/オードリー・ヘップバーン/エディ・アルバート/ハートリー・パワー/ハーコート・ウィリアムス/マーガレット・ローリングス/チュリオ・カルミナチ/パオロ・カルリーニ
《解説》
永遠に続く、たった一日の恋
アメリカ映画初出演となるオードリー・ヘップバーンと名優グレゴリー・ペック共演のロマンティック・コメディ、監督は巨匠ウィリアム・ワイラー、54年のアカデミー賞では主演女優賞、脚本賞、衣装デザイン賞を受賞した
永遠の恋人オードリー輝きあふれるそのとき、生涯二度とない恋の名作!
《物語》
歴史と伝統を持つヨーロッパの某国の王女アンはヨーロッパ各国を表敬訪問中、最後の滞在国であるイタリアのローマで過密スケジュールと疲労感、眠るときでさえネグリジェを着なければならない自由のなさにヒステリー気味
侍医はアンに眠るように睡眠薬を飲ませた、目が冴えて眠れないアンは服を着替えて密かに城を抜け出し街を散策
その後に睡眠薬が効いて広場のベンチで寝込んでしまったがそこに通りがかった新聞記者のジョー・ブラドリーは身なりの良さと学のある酔った女性アンを助け起こして自分のアパートへと連れ帰った
そのころ城ではアン王女が行方不明となり絶対に口外せぬよう緘口令が出た、我が国最大の危機だと、大使館は王女は突然のご発病と発表
寝坊をしてアン王女の記者会見に遅れたジョーは会見が中止になって一安心するが新聞でアン王女の写真を見て驚いた、昨夜ジョーの部屋に泊まった女性こそがアン王女だ
特ダネのチャンスと思い、目覚めたアンに優しく接し、帰宅するアンは街を散策して美容室で髪を切り、ジョーは彼女の後をつけていたが目の前に現れてローマ見学の案内役を引き受け、ジョーの同僚のアーヴィングが小型カメラでアン王女の行動を写真に撮った
夜になってアン王女が遊覧船の上でジョーとダンスを楽しんでいると、大使館が呼んだ秘密警察が現れて大騒ぎとなるが、ジョーとアンは追っ手から逃れたが、2人の間には愛が芽生えてキスを交わした、それは叶わぬ恋
ジョーはアンを大使館に送り届け、特ダネのメモを破り捨てた、数日後にアン王女の記者会見が行われ、そこにジョーとアーヴィングの姿もあり、ジョーとアンは目をあわせて別れた
《感想》
子供の頃にテレビで観てアン王女役のオードリー・ヘップバーンの美しさに目を奪われましたね、それほどオードリーの印象が強烈に残っている傑作です
出会って別れるありきたりな展開を魅力的なキャラクターにして永遠に語り継がれる作品に仕上げたのは名匠ウィリアム・ワイラー
全てのロマンティック・コメディの原点と言ってもいいくらいで、製作50周年にはデジタル・ニューマスター版としてリバイバル公開されました
主演のオードリー・ヘップバーンは当時は無名の女優だったそうで本作で一気にハリウッドスターへの階段を駆け上りました
主人公のジョー・ブラドリーを演じるグレゴリー・ペックはすでに名優と呼ばれていて、オードリーの才能をいち早く見抜き、オードリーやスタッフに色んな助言をして、映画を成功に導いたとされてます
本作で1953年のアカデミー賞でオードリーは最優秀主演女優賞を受賞し、イアン・マクラレン・ハンターが最優秀脚本賞を受賞しましたが、しかし元々はダルトン・トランボが執筆していて、当時ハリウッドを追われていたために名義を借用したそうです、1993年に改めてダルトン・トランボに贈呈しています
この某国の王女が街に出る発想はエリザベス女王の若かりし頃の出来事を参考にしているそうです、エリザベス女王もそんな出会いがあったのかな?
街を散策するシーンのオードリーが素晴らしく可愛くて、ジェラートを食べるシーンや真実の口のシーンはいまだに語られます、スペイン広場でジェラートを食べるのは観光客の定番となりました
バイクに乗るシーンや髪を切るシーンも印象深くて王女がこんなことを勝手にしていいの?って考えてしまいますよ
おいらが特に印象に残っているシーンはやはりラストです、全てが終わってジョーが一人で城の中を歩くシーン、ローアングルでの撮影は屈指の出来です、このシーンは本当に大好きです
モノクロ作品と言って嫌厭するのはもったいない作品です、若い人にこそ観て欲しい作品です、観て損したなんて絶対に思わない作品です
最高に美しい、全世界の恋人オードリー・ヘップバーンの代表作! それが『ローマの休日』です。
ずっとハードディスクに入れたままでふと観ることのある作品で、オードリーの笑顔が最高な作品です