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Channel: 237号室 タカの無事是名作映画烈伝 A級からZ級まで
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死にゆく者への祈り

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『死にゆく者への祈り』

 

 

 

 

 

1987年 イギリス

 

 

 

 

 

《スタッフ&キャスト》

 

 

監督 マイク・ホッジス

 

原作 ジャック・ヒギンズ

 

脚本 エドモンド・ワード/マーティン・リンチ

 

撮影 マイク・ガーファス

 

音楽 ビル・コンティ

 

 

 

出演 ミッキー・ローク/ボブ・ホスキンス/アラン・ベイツ/サミー・デイビス/クリストファー・フルフォード/リーアム・ニーソン/アリソン・ドゥーディ/カミーユ・コドゥリ/イアン・バーソロミュー

 

 

 

 

 

《解説》

 

 

やさしさが邪魔をする

 

IRAの元メンバーで、運命の時の流れの中で必死に生きようとする一人の殺し屋の姿を描く、ジャック・ヒギンズの同名小説の映画化で製作はピーター・スネール、監督は「フラッシュ・ゴードン」のマイク・ホッジス、音楽は「背信の日々」のビル・コンティ

 

 

 

 

 

《物語》

 

 

IRA(アイルランド共和国軍)に所属する銃の使い手マーティン・ファロンは北アイルランドで軍の車両を爆破する際に誤ってスクールバスを爆破させてしまう

 

 

それ以来、罪の意識に苛まれて身を隠す、それによって事件の容疑者として警察や軍、そしてIRAからも追われる身となった

 

そんなある日、葬儀屋で実はギャングのボスのジャック・ミーアンから国外脱出用の偽造パスポートとアメリカ行きのチケットと5万ドルと引き換えに殺しを依頼されたマーティン

 

 

人殺しはもうしないと決めたマーティンは今までの殺しは全て理由があった、だが潜伏先を通報されて逃亡をくり返すマーティンは仕方なく引き受けて依頼通りミーアンの商売敵を射殺

 

 

しかしその現場をダ・コスタ神父に目撃されてしまい、マーティンは教会に赴き、そこで神父の姪で盲目の美しい娘のアンナと知り合った

 

 

神父の口を封じるためにマーティンは教会の懺悔室で殺人を告白、懺悔の内容は誰にも話してはならないというカトリックの掟を逆手にとり、神父の口を封じることに成功

 

それを知ったミーアンは納得できず、神父殺害を命じるがマーティンは神父とアンナには手出しはさせないと対立

 

再び神父に会いに来たマーティンはアンナと親しくなり、そこに神父に証言を求めに来た警視と対面する、何も話せない神父とマーティンに好意を寄せるアンナのおかげで疑われずに済んだ

 

 

しかし教会から出てきたマーティンと警視を見たミーアンは2人の関係を疑い、手下に教会に放火させて警告をする

 

マーティンはIRAの元仲間のハマンと会うことになり、ハマンは戻るように説得しようとするがマーティンは頑なに拒否

 

 

それによってマーティンはIRAの殺し屋やミーアンらに狙われ、魔の手は神父や愛するアンナにまで及び、マーティンは戦うことを決意する

 

 

 

 

 

 

《感想》

 

 

ミッキー・ロークの主演作品でこれが一番好きかも、いや「ナインハーフ」かも、「エンゼル・ハート」も好きやし(笑)

 

 

原作は「鷲は舞い降りた」のジャック・ヒギンズ、彼の小説は第二次世界大戦の架空のエピソードや、アイルランド紛争にからんだ孤高のテロリストを主人公にした2つに分けられます

 

本作は後者でヒギンズは自身が一番好きな作品として上げています、監督のマイク・ホッジスは元々はもっとアクション色の強い作品となる予定でしたが、原作を気に入ったミッキー・ロークが心理描写などを緻密に演出するように進言して地味目な作品となりました

 

でもおいらとしては派手なアクション作品だったら印象に残らなかったかもしれません、当時のミッキー・ロークは人気があって女性に絶大な人気がありましたからね

 

 

本作は製作されてから1年以上してから日本で公開されました、おそらく日本ではお蔵入りでビデオスルーになる予定だったのかも、でもミッキー・ローク人気で公開されたと思います、当時劇場に観に行きましたよ、それも梅田のめっちゃ小さい映画館で立ち見でした、試写室かってくらいの狭い劇場でしたよ

 

それもあって本作は印象に残っているのかもしれません、他の作品のジゴロように女にモテてたり、ミステリアスな魅力だったり、悪魔のようでもありません、ただのテロリストです(笑)

 

それも苦悩するテロリストです、敵の軍の車両を爆破するつもりがそれを追い抜いたスクールバスを爆破してしまう失敗をしてしまって、罪のない子供たちを殺してしまった罪の意識から行方を暗ましてしまうんです

 

警察や軍や仲間からも追われる身となってアメリカに逃亡するために殺しの依頼を受けて実行するのですがその現場をボブ・ホスキンス演じる神父がバッタリと目撃、マーティンは銃を向けるが撃てずに逃走して、口を封じるために懺悔室で告白して神父に口外できないようにするんです

 

 

映画を観た当時は神父は懺悔の内容を秘密にしなければならないとは知らなかったので勉強になりましたよ、監督は「オーメン2 ダミアン」の脚本のマイク・ホッジス、音楽は「ロッキー」シリーズや「ベスト・キッド」シリーズのビル・コンティ

 

その神父の姪でサミー・デイビス演じる盲目のアンナとの出会いでマーティンは心の安らぎを得るんです、警視が来てオルガンの技師だと嘘を言ったマーティンが見事にオルガンを弾くシーンはすごく良かったです、ラストは想像できましたけどね

 

 

 

 

 

 

哀しき愛のテロリスト それが『死にゆく者への祈り』です。

 

 

 

 

 

派手な銃撃戦なんかは少ししかありませんが、想像するテロリストよりテロリストって普通の人なのかもと思いました、彼らにとっては大義なのでしょうね

 

 

 

 

 

 


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