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Channel: 237号室 タカの無事是名作映画烈伝 A級からZ級まで
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彼らが本気で編むときは、

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『彼らが本気で編むときは、』

 

 

 

 

 

2017年 「彼らが本気で編むときは、」製作委員会

 

 

 

 

 

《スタッフ&キャスト》

 

 

監督・脚本 荻上直子

 

撮影 柴崎幸三

 

音楽 江藤直子

 

 

 

出演 生田斗真/桐谷健太/柿原りんか/ミムラ/小池栄子/門脇麦/りりィ/田中美佐子/柏原収史/高橋楓翔/品川徹/江口のりこ/込江海翔

 

 

 

 

 

《解説》

 

 

本気の理由を聞こうじゃないか

 

「かもめ食堂」の荻上直子監督が5年ぶりにメガホンをとり、トランスジェンダーのリンコと育児放棄された少女トモ、リンコの恋人でトモの叔父のマキオが織り成す奇妙な共同生活を描いた人間ドラマ

 

まだ戸籍は男性ながら女性の体を手に入れた、本作のヒロインであるリンコに生田斗真、監督たっての希望でキャスティングが実現した、強い意志を持ってあらゆる困難に立ち向かったからこそ得た真の優しさと思いやりを持ったリンコを、繊細に体現している

 

 

 

 

 

《物語》

 

 

小学5年生のトモはネグレクトの母親ヒロミと2人暮らし、ある日にヒロミは男を追って少しの金を置いて姿を消してしまう、母親の家出は初めてではなく、一人きりになったトモは以前にも世話になった叔父のマキオの家に向かった

 

 

マキオに一緒に暮らしてる人がいると言われてマキオはリンコという恋人と暮らしていた、それはトモが初めて出会ったトランスジェンダーの女性だった

 

綺麗に整理整頓された部屋でトモを優しく迎え入れるリンコ、それに戸惑うトモ、食卓に乗る美しいリンコの手料理に安らぎを感じ、リンコはトモの好きな好物を勉強して作ると張り切る

 

 

母から与えられなかった団らんを感じるトモ、夜にはリンコは男として生まれ体の工事は全て済ませ、戸籍はまだ男だとトモに説明、トモは色んな事がありすぎて混乱

 

マキオの母でありトモの祖母であるサユリは認知症で老人ホームに入居している、そこで介護士として働くリンコと出会った

 

献身的に母を介護するリンコにマキオが惚れたのだ、元が男だと知った時には戸惑ったけどリンコのような心の人に惚れた、男とか女とかもはや関係なかった

 

 

母にまともに食事を作ってもらえなかったトモは母より愛情を注いでくれるリンコに信頼を寄せて愛おしさも感じる

 

ある日、トモはリンコとスーパーマーケットで買い物途中に幼馴染みカイの母親に変な人といると言われた事に腹を立てて洗剤をかけた、その事で警察を呼ばれる騒ぎとなり、リンコが謝罪

 

 

リンコは何を言われても我慢して飲み込んでとトモを諭し、悔しい事があるたびにリンコは編み物をして心を落ち着かせてきた、今は煩悩を編み続けている、それは男根への供養でそれにマキオとトモも参加

 

本当の家族ではないけれど3人には特別な絆とかけがえのないもの、この至福の時間が永遠に続くかと思われたのだが…

 

 

 

 

 

 

《感想》

 

 

おいらはGLTBの人たちをテーマにした作品はあまり観てないと思います、特にゲイをテーマにした作品多分観てないと思います

 

おいらのイメージはゲイとは見た目は男で男が恋愛対象、本作のトランスジェンダーの元男とはまた意味合いが違いますね

 

言うなれば性別を間違えて生まれてきたって事でしょうか?外見が男で心は女って生きていく上で障害となる事がいっぱいあるでしょうね

 

海外では性的マイノリティーな人たちを受け入れているイメージがありますが日本ではまだまだ性的マイノリティーの人たちを好奇な目で見るのではないでしょうか?

 

本作のトランスジェンダーのリンコを演じたのが「土竜の唄 香港狂騒曲」の生田斗真、さすがにジャニーズの美形なので女性役も綺麗ですね

 

 

リンコの恋人のマキオを演じるのが「バクマン。」の桐谷健太で普段演じる男っぽい役より少し優しい男を演じていてなんだか印象が変わりましたね

 

そしてマキオの姪のトモを演じるのが子役の柿原りんかで彼女が凄く良かったです、生田斗真や桐谷健太の繊細な演技も大事ですが、柿原りんかの心を打つ演技に痺れました

 

 

トモの奔放な母親ヒロミを演じるのがミムラでしょっちゅう男を追って家を出て行ってフラれたら帰ってくる生活をしています、母親である前に女だと豪語しますけど子供にとったら困った親です

 

 

幼馴染みのカイの母親ナオミに「グッモーエビアン!」の小池栄子でグラビアでド迫力のボディを魅せていた彼女もお母さん役がすっかり板につきましたね、リンコを見て変な人と言ってしまうデリカシーのないナオミはリンコに児童相談所に連絡したりして嫌がらせまでするんです

 

リンコの働く老人ホームの同僚の佑香に「二重生活」の門脇麦で個人的に好きな女優でこの世代ではトップクラスの演技派ではないでしょうか?

 

 

トモも当初は戸惑うのですがリンコがキャラ弁作ってくれたり編み物を教えてくれたりと段々と仲良くなっていくんです、そんなリンコを好奇な目で見ずに母親のような接し方となっていくんです

 

そんなトモも興味があったのか、手術で取ったちんちんはどうなったのかって直球な質問をするんです、そこでリンコはギョッとするようなリアルな答えをして男を震え上がらせます(笑)

 

 

それで3人で編む煩悩はちんちんの形をしているんです、やっぱそれは煩悩の塊ですもんね、それがあるから性犯罪も起こるわけですからね、でも無かったらと思うと悲しくなりますよ

 

 

 

 

 

優しさに満ちたトランスジェンダーの女性リンコと、彼女の心の美しさに惹かれ、すべてを受け入れる恋人のマキオ、そんなカップルの前に現れた、愛を知らない孤独な少女トモ、桜の季節に出会った3人が、それぞれの幸せを見つけるまでの心温まる60日間 それが『彼らが本気で編むときは、』です。

 

 

 

 

 

本作がりりィさんの遺作となりました、どの作品でも大きな役ではありませんが味のある役でした

 

 

 

 

 


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