『ファウンド』
2012年 カナダ
《スタッフ&キャスト》
監督・脚本 スコット・シャーマー
原作・脚本 トッド・リグニー
撮影 レヤ・テイラー
出演 ギャビン・ブラウン/イーサン・フェルベック/フィリス・ムンロー/ルーイ・ローレス/アレックス・コギン/アンディ・アルフォンス/エディ・ジャクソン/アンジェラ・デントン/シェーン・ビースリー
《解説》
世界が絶賛した、美しく激しい衝撃作
兄が殺人鬼であることを知った少年がたどる運命を描き、トロント・アフターダーク映画祭最優秀作品賞をはじめ世界各国で映画賞を獲得した青春ホラー
およそ8000ドルという低予算の製作費ながら絶賛され、世界各地の映画祭で話題をさらった、監督はこれが長編デビュー作となるスコット・シャーマー、「未体験ゾーンの映画たち2017」上映作品
《物語》
兄スティーブは生首を部屋に隠している、それは数日おきに新しくなる、大抵は黒人の女だ、一度は白人の男もあった
それを知ったのは友達とボウリングに行った時だった、ボールを勝手に借りにいき中を見て叫びそうになった、ホラーはよく見るが本物の生首は映画とは違う、肉の塊でしかないこんな最期は嫌だ、もしバレたら僕は兄に殺される
学校では黒人のマーカスにいじめられているマーティ、その現場を校長が目撃しマーカスは居残りとなった、マーティは早退することになり家族の秘密を覗き見る
母親は古いラブレターをベッドの下に隠している、父親は車庫にポルノ雑誌を隠している、お互いは知っているのだろうか?
スティーブの部屋で生首を見ようとするがその日は生首がなかった、飾ってあったガスマスクを着けているとスティーブが帰宅
勝手に部屋に入ったことを叱るスティーブにマーティは早退の理由を言うと、やられたらやり返せ、やり返しても居残りくらいの罰しか受けないだろうと勇気付けるとスティーブはどのマーカスだ?
一緒にグラフィックノベルズを書いている友人のデヴィッドからマーカスがマーティにキスされそうになったから殴ったと言いふらしていると聞いてショックを受けたマーティ
マーティをいじめているのが黒人だと知った父親は激怒し、母は学校を休んでビデオを借りに行こうと店に行くと観たかった「ヘッドレス」はなかった
その夜に停電が起こりスティーブに懐中電灯を借りようとするマーティだったがスティーブはいない、部屋に入って懐中電灯を借りようとするとスティーブが戻ってきた
ベッドの下に隠れて様子をうかがうとスティーブは何やら独り言を言いながら出て行った、その日の生首はマーカスだった
優しいスティーブが好きだが殺人鬼の兄は恐ろしくこの秘密を知っていることがバレたら自分が殺されるのではないかと恐ろしくなるマーティだがスティーブの部屋に「ヘッドレス」のビデオを見付けた
《感想》
家に生首があると考えたらジワジワと怖いです、それも家族の誰かが人殺しで首を切断して部屋に保管してるなんてね、よくこんなの思いつきましたね
主人公は白人の少年なんですけど黒人の少年にいじめられているんです、だけどそんな問題は大きくないようです、兄が部屋に生首を隠しているんですから
メジャー作品ではないので白人優位主義で黒人を少し敵視するようなところがあります、でもそれこそ本当のアメリカって感じもしますね、しかも黒人は体が大きいのと白人に対する憎悪みたいなものももっと描いて欲しかったです
やはり監督としては白人も黒人も差別的なことは描くのは本意ではないのかもしれませんけど、そこは避けては通れなかったのかもね
この兄のスティーブはもちろん恐ろしい存在なのですがマーティが観るビデオ「ヘッドレス」がこれまた血みどろで凄いんです、こちらにも力を入れすぎなくらいです
このビデオを観てマーティは劇中の殺人鬼とスティーブを重ねてしまって怖くなるんです、とにかく残酷に女を殺すビデオなんです
スティーブはマーティをいじめているマーカスの生首を部屋に隠しているんです、カワイイ弟をいじめる奴は斬首ですよね
しょっちゅうスティーブは生首を変えて保管していて、そのほとんどは黒人なようですがやはり白人優位主義なのか敵が黒人と考えているのか、黒人は殺す基準が低いのかね
マーティも兄同様に凶暴な血が流れているのか乱暴になっていきます、ラストはそうなるべくしてなった感じで破滅へと向かいます
僕の兄は、クローゼットにXXを隠している それが『ファウンド』です。
青春ホラーなのですが、劇中劇の「ヘッドレス」の全編も観てみたいです(笑)
裏237号室の『ファウンド』のレビューはこちらです