『暗殺』
2015年 韓国
《スタッフ&キャスト》
監督・脚本 チェ・ドンフン
撮影 キム・ウヒョン
音楽 チャン・ヨンギュ/タル・パラン
出演 チョン・ジヒョン/イ・ジョンジェ/ハ・ジョンウ/オ・ダルス/チョ・ジヌン/イ・ギョンヨン/チェ・ドンムン/キム・ウィソン/パク・ピョンウン/チン・ギョン/ホ・ジウォン/キム・ホンパ/チョン・ギュス/キム・ガンウ/シム・チョルジョン/チョン・インギョム/イ・ファン/チョ・スンウ/キム・ヘスク
《解説》
裏切りか、信念か
2015年夏に公開されるや観客動員数約1270万人を動員し、韓国映画の歴代興行ランキングTOP10入りし大ヒットを記録した話題作、チョン・ジヒョン×イ・ジョンジェ×ハ・ジョンウ韓国を代表する役者たちの渾身の演技対決!
監督は「10人の泥棒たち」で一躍ヒットメーカーに躍り出たチェ・ドンフン、長年の構想を経て完成させた意欲作で、闘争の道を歩む者たちの切なくも激しい生き様を銃撃アクション満載で描く
《物語》
1911年、日本統治下時代、京城ソンタクホテルで寺内総督とイ・ワニョン伯爵暗殺未遂事件が発生するが朝鮮のカン・イングクによって寺内は救われた
この情報を流したのはカンの妻で、この国を戦わずして奪った日本が許せなかった、妻は実行犯のヨム・ソクチンを連れて逃げるがカンの命令で暗殺されソクチンは捕まるが脱獄
1933年、中国・杭州に設けられた韓国臨時政府独立運動家のキム・グの元にキム・ウォンボンがやってきた
そこでグはウォンボンにソクチンを引き合わせる、ウォンボンはソクチンに独立軍の狙撃手アン・オギュン、爆弾製造のファン・ドクサム、速射砲のチュ・サンオクの服役囚3人を上海のミラボホテルに連れて来るように命令
上海の日本領事館ではグらの京城での日本政府要人親日派暗殺作戦をコプチュが連絡係だがグに疑われ情報を売りにきたが密偵に確認をとる
その3人がウォンボンとミラボで会うと情報を流した密偵は臨時政府警務隊長のソクチンだった、彼らを招集する一方で仲間と政府を裏切ったのだ
3人がミラボホテルに集まり標的をウォンボンに教えられる、満州一帯の朝鮮人3469人を殺害命令を出した19師団指揮官の川口守と親日派のカン・イングクが標的だ、ちなみに川口はオギュンの母を殺した男だ
3人は暗殺実行のために上海から京城へと送り込まれ、到着後にアネモネ・カフェのマダムに会う
ミラボでの検挙作戦に失敗した日本政府はソクチンに標的の情報を流してもらい、報酬でハワイ・ピストルと呼ばれる殺し屋に暗殺団3人の殺害を依頼、しかしソクチンが日本の密偵だと発覚してグが暗殺部隊を送るが返り討ち
綿密な計画を立てて暗殺実行までの時を過ごすが彼らには非情なまでの運命が待ち受けていた
《感想》
これ面白かったですね、おいらは「ベルリンファイル」のチョン・ジヒョンが好きで彼女目当てで観て、反日や抗日映画でも仕方ないと思ってましたが、そんなに日本を叩いてるようではなかったです
もちろん韓国映画なので敵は日本なのですが日本に寝返った韓国側の裏切り者が最大の敵なんです、この攻防がハラハラして見応えありましたよ
韓国映画はクライムサスペンスやこんなハラハラドキドキが本当に上手い、スナイパーを演じるチョン・ジヒョンの狙撃シーンは迫力満点です
それに彼女は実際と同じ重さの銃を持って屋根を走るシーンを颯爽と演じています、背も172センチと高いので様になります
殺し屋ハワイ・ピストルを演じる「ベルリンファイル」のハ・ジョンウはニヒルでミステリアスに演じていてお互いの素性を知らないでオギュンとホテルで日本軍を欺くために即席で夫婦を演じてその場をしのぐのですが後に2人は殺し合いをして助け合うのが面白い展開でしたね
そして裏切り者のソクチンを演じるのが「ハウスメイド」のイ・ジョンジェで冷徹でその姿にはゾッとするシーンもありました、役作りのために15キロ減量して挑んだそうです
監督は「10人の泥棒たち」のチェ・ドンフンで長年の構想を経て完成させた意欲作です、韓国ではあまりに反日色が強いとヒットしないそうですが本作は韓国で1270万人が観た大ヒット作品
抗日映画と言うわけではなく、主人公が近眼の美少女でちょっと萌えてその設定にも現実的ではない設定でもありますが、リアリティよりエンターテインメント映画です
朝鮮民族が圧倒的に強い日本に独立戦争を挑んで勝ち取るって感じなんですけど、歴史的には韓国は大戦争では1度も戦ってないんです、なので韓国の戦ってないコンプレックスを払拭するするような感じではないかな
速射砲のチョ・ジヌンと爆弾製造のチェ・ドンムンとチョン・ジヒョンで会話も面白いし、結婚式場での銃撃戦の命を懸けたシーンは胸を打ちますね、それにハワイ・ピストルの爺やを演じるオ・ダルスもいい味出してます
ただ日本人役も日本人に化ける韓国人役もどちらの日本語のクオリティーが同じなのが少し残念でした、日本人が観ると日本語に違和感があります、でもメチャメチャな日本語ではなくかなり頑張ってると思います、反日ではなく完璧を求めていたのが感じられます
壮大なスケールで活写する闘争の緊迫感と繊細な心理描写! それが『暗殺』です。
ただびっくりしたのは双子だったという事です、その辺はマンガのような展開ですが再会しても少しの時間なのが悲しかったね
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暗殺 (2015)
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