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Channel: 237号室 タカの無事是名作映画烈伝 A級からZ級まで
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獣は月夜に夢を見る

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『獣は月夜に夢を見る』

 

 

 

 

 

2014年 デンマーク・フランス

 

 

 

 

 

《スタッフ&キャスト》

 

 

監督・脚本・原案 ヨナス・アレクサンダー・アーンビー

 

脚本 ラスムス・ブルヒ

 

音楽 ミケル・ヘス

 

 

 

出演 ソニア・ズー/ラース・ミケルセン/ソニア・リクター/ヤーコブ・オフテブロ/ティナ・ギリング・モーテンセン

 

 

 

 

 

《解説》

 

 

僕は君のそばにいる、たとえ君が何者でも

 

カンヌ国際映画祭を筆頭に各国の映画祭で高い評価を得たミステリードラマ、閑散とした村を舞台に体に異変が生じるようになった女性がその原因を探ろうとする

 

美しき新星ソニア・ズーが体当たりの演技で主演!北欧を代表する俳優陣が脇を固める!撮影当時弱冠20歳のソニア・ズーがヌードや激しい濡れ場も含めた体当たりの演技を披露!

 

 

 

 

 

《物語》

 

 

海岸沿いの小さな町で父親と病気の母親と一緒に暮らす19歳のマリーの体に湿疹が出たのでラーセン医師の病院で調べてもらうが今のところは何の心配もなし

 

 

車椅子の母と一緒に散歩に行くマリー、母は体をほとんど動かせない病気で母の病状を診にラーセンがやってきた、父は母の病気のことを何も教えてはくれない

 

 

ある日マリーがシャワーを浴びて鏡を見ると胸の湿疹から毛が生えていた、マリーはそれを見て自分が自分ではなくなるような錯覚を起こした

 

 

マリーは胸を父に見せると父は愕然として次の日にはラーセンがやってきてマリーの病気の話しをし出した

 

母親の症状からマリーはこれから体が毛で覆われて感情面でも気が短くなり攻撃的になる、ラーセンは薬を飲んで抑える方がいいと言うがマリーは拒否

 

クラブに行ったマリーは同じ職場で働くダニエルと会いマリーは彼に、「私が怪物になってしまう前に抱かれたいの、手伝ってくれる?」とクラブを出て海岸へ

 

そこで2人はキスをして服を脱ぎセックスを始めるがマリーの体は興奮して毛で覆われていき目の色も変わり咆哮する

 

 

帰宅したマリーの異変を感じた父はマリーが眠っている間にラーセンを呼び、マリーを押さえつけて薬を注射しようとするが母がラーセンに襲い掛かり一瞬にして殺してしまった

 

再び動かなくなった母、父はラーセンの死体を庭に埋めてマリーは血塗れの母の体を風呂で綺麗にした

 

 

ラーセンが失踪したと町の人が母の確認にやって来たが何もおかしな事は無い、しかしある日にマリーが帰宅すると母が浴槽の中に身を沈めて死んでいた

 

侵入者の形跡があり誰かが動けない母を浴槽に沈めたのは明白だがマリーも父も言葉にせず我慢をするが、葬儀の後にマリーの体に変化が起こり内に秘めた凶暴性を抑えられなくなる

 

 

 

 

 

 

《感想》

 

 

監督はラース・フォン・トリアー作品の美術アシスタントを務めていたヨナス・アレクサンダー・アーンビー監督が北欧独特の映像美で魅せます

 

 

海岸沿いの少し寒々とした風景は「ぼくのエリ」のようなのと共通するイメージです、あれほど雪景色ではないですけどね(笑)

 

主人公マリーを演じるのは儚げな美しさを持つ新星ソニア・ズーで体が少しずつ変異して内面も凶暴化する難しい役を抑えた演技で幸薄い感じがよく出てます

 

 

ここまででこれは狼人間の物語のようですが限りなくそれに近いのですが狼と言うワードは出てこなかったので獣と言うのが適切かな

 

でも獣に変貌したマリーはラストにしか出ません、町の男たちがマリーを船に乗せて沈めようとするんですけど閉じ込められた船底で変貌、これが見たかった!

 

鬱蒼とした映像なのでその恐ろしい姿はあまり見えないのですし、残酷なシーンも少なめですけどいじめられたり虐げられたマリーの反撃にフラストレーションが弾け飛んだ

 

 

そんな獣の姿のマリーを受け入れるダニエルはマリーの父親とその姿が重なります、おそらく父親も同じように獣の母親を愛したのでしょうね

 

そんなダニエルに懐くようなマリーもなんだか愛おしいですね、マリーも母親の敵を討ったようでもあります、その母親の死は謎のままですがなんとなく町の男たちの仕業っぽい

 

 

町の男たちはマリーの母親が獣だと知っていてそれで動けない病気なので野放しだったのですがラーセンが失踪して考えが変わったようですね、遺伝するマリーも標的にしたようです

 

あくまで町の平和の為でしょうけど、マリーやダニエルにはそんなこと関係なかった

 

 

 

 

北欧の新たな才能を世界が称賛!恐ろしくも、美しく儚い、珠玉のノルディック・ミステリー!

 

 

 

 

ハリウッド映画のような派手さはないのですが胸を鷲掴みされるような作品でした

 

 

 

 


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