『ポテチ』
2012年 「ポテチ」製作委員会
《スタッフ&キャスト》
監督・脚本 中村義洋
原作 伊坂幸太郎
音楽 斉藤和義
出演 濱田岳/木村文乃/大森南朋/石田えり/中林大樹/松岡茉優/阿部亮平/中村義洋/桜金造
《解説》
パリッとカリッと映画の旨さを68分の中にギュッと詰め込みました 仙台の街から、新しい家族の物語を届けます
人気作家・伊坂幸太郎の同名中編小説を中村義洋監督、濱田岳主演で映画化、同じ年、同じ日、同じ街で生まれたプロ野球のスター選手・尾崎と空き巣をする凡人の今村が運命に翻弄されながらも、家族や恋人を巻き込んで目に見えない強い絆によってつながれていく姿を描く
舞台は伊坂作品おなじみの仙台、音楽は同じく伊坂原作×中村監督作品の「フィッシュストーリー」「ゴールデンスランバー」も担当した斉藤和義
《物語》
空き巣を生業とする青年・今村忠司は恋人の大西若葉を連れて仙台のプロ野球選手・尾崎の部屋に空き巣に入っていたがそこに1本の電話がかかってきた
今村と若葉の出会いも空き巣に入った先の結婚詐欺師の家でかかってきた電話で騙された若葉が当てつけに自殺すると留守電に入り、かけなおして飛び降り自殺をしようとしていた若葉を説得して付き合うようになった
尾崎にかかってきた電話の内容は助けを求めるもので、興味を持った2人は告げられた場所に向かう
指定された喫茶店にはストーカーに困っている少女がいて以前に助けてくれた尾崎に再び助けを求めたのだ
今村は同業者で探偵業を営む黒澤に相談してストーカーの住所を調べ、若葉とその部屋に行くとその部屋にはストーカーと少女が一緒に暮らしていた、少女たちは美人局で尾崎から金を脅し取ろうと企んでおり、今村は2人を叱り飛ばしてその場を後にする
部屋に戻ると今村の母が来ており3人で居酒屋で食事、酔って眠った今村を置いて若葉は母親に尾崎との不思議な繋がりを聞かされる
同じ誕生日に同じ病院での出産であることに気になった若葉は黒澤に相談をすると、なぜ今村は尾崎に執着するのか?若葉は黒澤からある衝撃の事実を聞かされる
《感想》
木村文乃結婚記念レビューです、でもねこの作品の木村文乃が一番好きかも
主人公の今村忠司とプロ野球選手の尾崎は同じ生年月日で出身地も同じで生まれた病院も一緒なんです、母親と父親は酒豪なのに今村は下戸なんです
何となくわかってしまいますよね、なので今村は地元のヒーローなんですが今は控え選手の尾崎に執着するんです
ですから尾崎を騙そうとしていたストーカー男と被害者少女の2人を許せなくて怒りをぶつけます、こんなに怒ってる濱田岳は珍しいです(笑) 濱田岳は伊坂×中村の「アヒルと鴨のコインロッカー」でも主演を務め、「フィッシュストーリー」や「ゴールデンスランバー」でも出てました
ストーカーの被害を訴える少女役に松岡茉優でカワイイ顔をして男と住んでしかも美人局で脅そうとする悪い娘です
当初はゆるーい作品だと思ってたんですが中々深くて息子の母親への罪悪感なんかを感じていてちょっと悲しくなりましたね、ポテチを間違えて買ってきてもそれでも若葉が美味しく食べて間違えてくれてありがとうと言うセリフで今村が泣くシーンは当初はチンプンカンプンです
石田えり演じる母親がすごくサバサバしていて初対面の若葉にすぐに服を買うんです、男っぽい恰好の若葉に女の子らしいワンピースを与えて女の子が欲しかったと
本作の木村文乃がすごくラフな格好で体の線が出る服装で意外にウエストが細くて腰回りが張っていてセクシーだなと
野球選手の尾崎とは逆にナンパばかりしていた今村に対しては「違うバットを振り回してたの~」とエロい返しが意外な感じで面白かったですね
「ちょんまげぷりん」の監督、中村義洋が今村のボスで中村専務役で出演していますが、竹内結子が通行人役で出てるのも面白いです
同業者で探偵もしている黒澤役に大森南朋で彼は独特の雰囲気で威圧感もあって存在感も十分です、でもちょっとおバカな今村に親身に接していてラストは一緒に野球を観に行きサプライズも演出しています
「アヒルと鴨のコインロッカー」「ゴールデンスランバー」のチームが再び仙台から贈る、珠玉の68分! それが『ポテチ』です。
小説「フィッシュストーリー」の中の中編ですが原作も読みたくなる作品でした