『無伴奏』
２０１５年 「無伴奏」製作委員会
《スタッフ＆キャスト》
監督 矢崎仁司
原作 小池真理子
脚本 武田知愛／朝西真砂
撮影 石井勲
音楽 田中拓人
出演 成海璃子／池松壮亮／斉藤工／遠藤新菜／松本若菜／酒井波湖／仁村紗和／斉藤とも子／光石研
《解説》
こんなに好きだったのに、あなたは誰を愛してるの？
直木賞作家・小池真理子による半自伝的恋愛小説を成海璃子の主演で映画化、実在した喫茶店「無伴奏」を舞台に、時代に流されて学園紛争に関わっていた多感な女子高校生の成長を描く
女子高生から大人へと成長する響子役を成海璃子が体当たりで熱演、渉役を池松壮亮、祐之介役を斉藤工がそれぞれ演じる、モデルの遠藤新菜がエマ役を演じ輝きを見せる
《物語》
１９６９年４月、日本中が学生運動に包まれていた時代、仙台の女子高校３年生の響子は同級生のレイコとジュリーと共に学校と対立する制服廃止斗争委員会を結成し、学園紛争に打ち込む
東北大学では反帝学評でのストに参加した帰りにレイコに連れられて喫茶無伴奏に入った、そこはクラシック音楽が流れる独特の雰囲気でその店で渉、祐之介、エマの３人と出会った
大学生の彼らは響子たちを子ども扱いする事に腹が立ったもののバックルベルのカノンをリクエストする渉に響子は興味を持った
制服廃止を訴えながらも家に帰る前には私服から制服に着替える響子、そんな響子を心配する両親は仕事の都合で東京に引っ越すことになり、進学校に通う響子は叔母の下で暮らし仙台に残った
学校で響子たちは制服廃止斗争委員会が拡声器で演説しビラを巻いた事で響子たちは自宅謹慎となってしまう、電話で父親に怒鳴られ恥だと言われて響子は言い返してしまう
本当はベトナムも沖縄も安保もどうでもいい、この嵐の中に自分を駆り立てていかなければ発狂しそうになる
６月に大学で行われたデモ集会に参加し、機動隊と衝突してケガをした響子は自分の甘さを知って逃げ出し無伴奏へ、そこで渉たちと再会
渉と２人になり話をすると、愛なくして革命は起こせないと言う渉に惹かれていく響子、祐之介とエマとも仲良くなって、姉のせつ子の登場で嫉妬や不安を感じ、女としての衝動に突き動かされていく
《感想》
「ストレイヤーズ・クロニクル」の成海璃子が１７歳から２１歳までの響子を演じて初めて全裸を披露する体当たりの演技でちょっと驚いた、でも何も見えてないけどね
子役時代から既に完成した顔をしていて大人っぽいという印象でした、今までは割と普通の女子高生やコメディエンヌで超能力者なんかも演じていますが本作のような政治に関する役は珍しかったね
原作者の小池真理子の小説は数冊読んだことがありますが印象は怖い話ということです、本作の無伴奏は半自伝的な作品のようですね
相手役の渉は「バンクーバーの朝日」の池松壮亮で彼は売れっ子で色んな作品に出てますね、成海璃子との大胆なセックスシーンを演じています
そして渉の友人の祐之介役はこれまた男前の「欲動」の斉藤工で恋人のエマを弄ぶように響子と渉の前で脱がして抱くんです、少しすると２人きりにしてくれと、意味が分からないです
そのセックスをしているところを見せて嫉妬をさせようと思ったのかもしれません、その嫉妬を見せたいのは響子ではなく渉なんです
響子が雨の日に渉を迎えに行くと茶室で渉と祐之介が裸で抱き合ってるんです、これは響子にとってはかなり衝撃的ですよね！
祐之介の恋人のエマは何だったのって思いますよね、男どもはバイセクシャルで四角関係となってるのでしょうか？
エマを演じるのがモデルの遠藤新菜で父親がイギリス人とアイルランド人のハーフで母親は日本人で端正な顔立ちをしています
本作では成海璃子より大胆なヌードを披露して海に行って車の中での着替えで胸を露出しているのですが海で泳いでいる人に見られたかもと恥ずかしかったらしいです(笑)
そして渉の姉役に松本若菜、この姉弟がまるで恋人同士のようで響子は姉弟なのにその関係を疑ってしまい、嫉妬と不安に駆られてしまうんです
そんな少女から大人の女へと変わっていく響子ですがそのラストは強烈に衝撃的でしたね
秘密の匂いがした初めての恋、あなたを求め続けた多感なこの恋の行方は それが『無伴奏』です。
小池真理子の恋人はバイだったのかその辺はフィクションなのか、あるいは事実なのか？
