『バニシングin60』
1974年 アメリカ
《スタッフ&キャスト》
監督・脚本・製作 H・B・ハリッキー
撮影 スコット・ロイド・ディヴィス/ジャック・ヴァセック
音楽 ロナルド・ハリッキー/フィリップ・カチャトリアン/エブ・ジャンセン
出演 H・B・ハリッキー/マリオン・ブシア/ジェリー・ドージラーダ/ジェームズ・マッキンタイア/ジョージ・コール/ロナルド・ハリッキー/マルコス・コシコス
《解説》
116台のカーチェイス!93台をジャンク!CGも合成もない超高級車の超デッド・ヒート・カー・アクションの傑作!
60秒あればどんな車でも盗んでみせるという車泥棒のテクニックと、延々繰り広げられるカー・アクションが目玉のアクション映画
スタントマン出身のH・B・ハリッキーが監督・脚本・製作・原案・主演をこなした超ワンマン映画で、野暮ったい造りは御愛嬌、そのスピード感溢れる描写が人気を呼んだ
《物語》
元カーレーサーのメイドリアン・ペイスは現在は保険会社の属託を受けて調査をする調査員だがそれは表の顔、裏の顔は依頼を受けた車を非合法に入手する窃盗団のボス
廃車の車ダッヂ・チャレンジャーを購入し解体、製造番号やエンジンやトランスミッションを外し、同型車を盗み製造番号を付け替える、チャレンジャーは中古車店に並ぶ
ロスだけで車は200万台以上あるので警察が調べる確率は5千分の1だ、しかしペイスは盗難保険に入っている車しか狙わないポリシーがあった
ある日アルゼンチンのディーラーから40万ドルで高級車や希少車の手配を依頼され土曜日までに40台を盗むというもの、ペイスたちは鮮やかな手口で次々と高級車を盗んでいく
黄色いマスタングを盗んだところ犬の散歩で出て来たスミスが青いプリスマで追いかけて来たがプリスマは事故を起こし警察に捕まってしまい、盗まれたマスタングを追っていたと言うもマスタングは自宅に戻っていた
スミスは保険会社のクレーム担当主任で支払いを拒否して大勢を泣かせている、その報いを受けたのだとペイスは言う
事務所からリムジンの送迎を依頼しリムジンが到着すると片っ端から盗んでいく、若い女性が鍵を付けたままデトマソ・パンテーラやコルベットから離れた隙に盗んでいく
しかしダッヂ・チャレンジャーが廃車のはずなのに売られていたと調査が入り、ペイスは問題ないと店頭からチャレンジャーを盗み出しパトカーに追われるものの振り切り、チャレンジャーを粉砕してスクラップにして証拠隠滅
黄色の1973年型フォード・マスタングは保険に入っておらず別のマスタングを盗もうとするも、ペイスを疎ましく思う仲間の密告で警察に待ち伏せされペイスはマスタングでロスを舞台にカーチェイスを展開する
《感想》
この70年代の映画ってCGなんかないので全部本物ですよ、クラッシュシーンはさすがの迫力でシビレます
スタントマン出身のH・B・ハリッキーが全身全霊を込めて作った作品でラストのカーチェイスはなんと40分もあって現在までその時間は抜かれていません
原題の通り60秒あったら車を盗んでしまうよってくらい素早く盗みます、今の車とは違ってコンピューターなんかないのであっさりドアを開けれます
今の車は防犯装置や防犯カメラもありますし、鍵もいらないし、直結でエンジンを掛けるのは難しいでしょうね、直結が分かるかな?
でも盗むシーンよりやはりラスト40分のカーチェイスでしょう見どころは! パトカーにガンガンぶつかっても走り出すマスタング
ペイスは盗む車に女の名前を付けてるんですがマスタングはエレノアと言う名前で呼ばれて爆走!この時代のアメ車もまたカッコイイんです
このカーチェイスのその後はどう収めるのかと思いましたが上手くまとめましたね、アメリカンニューシネマのような悲劇的なエンディングではなくちょっと笑えましたね
一台の黄色いマスタングを追って、史上空前93台が激突する、一大チェイスが、今、壮絶に始まった
クエンティン・タランティーノも絶賛するカーアクション映画です、「デス・プルーフ」でもオマージュを捧げられてます