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Channel: 237号室 タカの無事是名作映画烈伝 A級からZ級まで
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岸辺の旅

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『岸辺の旅』

 

 

 

 

 

2015年 日本・フランス

 

 

 

 

 

《スタッフ&キャスト》

 

 

監督・脚本 黒沢清

 

原作 湯本香樹実

 

脚本 宇治川隆史

 

撮影 芦澤明子

 

音楽 大友良英

 

 

 

出演 深津絵里/浅野忠信/小松政夫/村岡希美/奥貫薫/赤堀雅秋/千葉哲也/藤野大輝/松本華奈/石井そら/星流/いせゆみこ/高橋洋/深谷美歩/岡本英之/蒼井優/首藤康之/柄本明

 

 

 

 

 

《解説》

 

 

いかないで、きえないで、このままずっと、そばにいて

 

第68回カンヌ国際映画祭「ある視点」部門で監督賞に輝いた、黒沢清による夫婦の愛を描くせつないラブストーリー

 

3年にも及ぶ失踪の後、突然帰宅した夫と共に、かつてお世話になった人々の元を訪れ、愛を深めていくヒロインの姿を描く 深津絵里と浅野忠信が初の夫婦役を演じる、原作は湯本香樹実の同名小説

 

 

 

 

 

《物語》

 

 

ピアノ教師の薮内瑞希は失踪した夫の優介がある日突然現れ、彼は富山の海で死に体はカニに食われてなくなり捜しても見付からないと言う 口調も態度も生前と変わらない優介に混乱する瑞希

 

 

次の日の朝、目が覚めた瑞希に変な夢だと思ったが昨夜に優介が食事をした食器が残っていた、後を振り返ると優介がいた

 

瑞希は優介に抱き付きずっとここにいてと哀願するが、しかし優介はここに来るまでいろんな人に世話になった思い出の地を巡る旅に出ようと持ち掛ける

 

 

2人はカバンに荷物を詰めて電車に乗ってある駅に辿り着いた、そこで新聞配達業をする老人の島影の店を訪ねた 優介は島影の下で働いていたことがあり、しかも島影の妻は失踪していた

 

 

それに島影は死者であり自分が死んだことも分かっていないが優介の言葉で旅立って行った

 

2人は電車に乗って食堂を経営する神内夫婦の店の手伝いをするうち瑞希はこの町で住みたいと思い始めた

 

 

ある日、食堂の2階に古いピアノを見付ける、そのピアノは妻フジコと亡くなった妹マコとの思い出のピアノ、現れたマコと対面したフジコはピアノ演奏を通じてマコの笑顔を引き出した瑞希

 

バスの中で一通の手紙を巡って2人はケンカとなる、それは優介と関係のあった女の朋子 瑞希は1人で朋子に会いに行き彼女のしたたかで凛とした態度に打ちのめされてしまう

 

 

しかし優介に抱きしめられて彼の旅に最後まで付き合う決心をした瑞希は優介の新たな一面を知り、2人は改めて愛を感じるが別れの時が近づいていた

 

 

 

 

 

《感想》

 

 

フランスで人気の黒沢清監督作品です、それに海外の国際映画祭で俳優賞を獲っている「寄生獣」の深津絵里と「寄生獣 完結編」の浅野忠信の出演です

 

 

深津絵里が内に色々とため込んだ静かな女性・瑞希を見事に演じています、失踪した夫・優介の帰りをじっと待っているんです その生活は地味なもんですよ

 

そこに帰ってくる夫、でも何か変なんです そう、夫は既に死んでいるんです でも普通に食事もするし普通に人と会話どころかコミュニケーションもごく普通にとります

 

そこから夫婦2人は旅に出て行くんです、そこから出会う人々がまた個性的で面白い 新聞業を営む小松政夫は新聞配達所の上で住んでいて優介と瑞希もそこに泊まるんですけど成仏したら今までピカピカだった部屋がいきなりボロボロになる恐ろしさ、地味に怖いんです

 

 

次にピアノにまつわる場所に旅をするんですけど、そこでは瑞希もここに住みたくなるほど居心地が良いんです、でもそこの奥さんのフジコは小学生で亡くなった妹のマコに謝りたくてずっと心に残っているんです

 

瑞希がピアノを弾いてるとマコが当時の姿で現れるんです、このシーンが美しくてそれでいて重厚で見応えありましたよ

 

瑞希は体の交わりが欲しくて抱いて欲しいのですが優介はそれは無理だと言うです、死んだ人間は生きてる人間とはダメなのかなって思ったんですけどそうではなかったようです

 

 

そして出番はほんの少しなんですけど「るろうに剣心」シリーズや「花とアリス殺人事件」で声優を担当した蒼井優演じる朋子が凄い強くて瑞希との対峙するシーンはピリピリしましたね

 

 

優介が遊びだと言いましたがなんで奥さんがいて不倫しちゃうんやろ?やっぱ女が誘うのかな?やっぱ家庭があったら自分から進んで不倫なんてしないでしょ、女からのアプローチがあってのことだと思いますもん

 

最後に行った村では歓迎されてそこの奥さんは死んだ夫に引き込まれそうになって生気がないんです、それで死んだ夫は亡者のようになってしまって優介は成仏させるんです その村には死者の国とつながっている滝があるんです、瑞希はそこが気になって仕方ないんです

 

 

夫婦は愛を確かめ合い、この日本映画の静かな情熱が世界の人に伝わったのかな? たとえば愛し合っていてもキスもしない美学が日本にはあるんです

 

 

 

 

愛する人との永遠の別れを描く、究極のラブストーリー それが『岸辺の旅』です。

 

 

 

 

海外からも絶大な支持を得ている作品です、夫婦役として初共演を果たした深津絵里と浅野忠信が抑えた演技で良かったです

 

 

 

 


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