「娚の一生」
2015年 「娚の一生」製作委員会
《スタッフ&キャスト》
監督 廣木隆一
原作 西炯子
脚本 斉藤ひろし
撮影 鍋島淳裕
音楽 遠藤浩二
出演 榮倉奈々/豊川悦司/安藤サクラ/前野朋哉/落合モトキ/根岸季衣/濱田マリ/徳井優木/野花美波/岩佐真悠子/紺野千春/朝倉えりか/若林瑠海/坂口健太郎/向井理
《解説》
52歳独身の大学教授、恋をしないと決めた女 「ずっとひとりだと思ってたのに」
「月刊フラワーズ」掲載の西炯子のベストセラーコミックを実写映画化した大人のラブストーリー 過去を引きずり幸せをつかめずにいるキャリアウーマンと、恋愛を拒んできた50代の大学教授が出会い、奇妙な共同生活を通じて心を通わせていく
才色兼備なのに不器用なヒロインに榮倉奈々、50歳を過ぎても独身のままでいるモテ男に豊川悦司。主演の二人とは、それぞれ『余命1ヶ月の花嫁』と『やわらかい生活』でタッグを組んだ廣木隆一監督がメガホンを取る
《物語》
東京で暮らしていた堂薗つぐみは仕事に打ち込みキャリアを積む一方で辛い恋愛に苦しんでいた 疲れ果てた彼女は仕事を辞め、祖母・十和のいる田舎の一軒家に移ってくる
ひっそりと田舎暮らしをするうちに、十和が他界 葬式が終わった頃に祖母から家の離れの鍵を預かっていたという大学教授の海江田醇が現れた
大学時代、醇は十和の教え子で染色職人の十和にほのかに恋心を覚えていた 幼いつぐみはその頃に醇に会っていた
十和にいつでも使っていいと言われていた醇はつぐみを屁理屈で言い包め、半ば強引に離れに住み始める
しぶしぶ同居を認めたつぐみだったがお互いにルールを作り、食事と洗濯はつぐみ 風呂の薪割りは醇となった
醇はつぐみはそこそこ綺麗なのに自分の事を手入れしていないと指摘、とりあえず僕と練習と思って恋愛してみろと言う
最初は歳の離れた醇の求愛に嫌悪感と戸惑いを感じるつぐみ 小さな町なのでつぐみが男と暮らしていると噂が流れる
つぐみの元同僚の秋本岬が訪ねてきた つぐみから醇のことを聞いていた岬は醇が独身だと聞き、悪い人間ではないと結論を出し、彼氏と結婚をすると言い帰って行った
岬に結婚することを聞かされて自分との比較で死にたいと漏らすつぐみに文句を言う醇 手入れしていないと指摘された事に対してネックレスをつけたつぐみ
しかしそのネックレスを落としてしまい、50万したけど自分で買った負け犬ジュエリーと自分を卑下するつぐみに醇は激怒して出て行ってしまう
雨の中戻ってきた醇はつぐみを抱きしめてネックレスをつけてやる 心を動かされたつぐみだったが祖母の元カレはありえないと
その戸惑いとは裏腹につぐみは次第に醇に心を開いてゆく 過去の不倫によって傷付いたつぐみだったが醇によって癒やされていくが、元カレの中川俊夫が現れる
《感想》
何気なく借りて観たのですが中々面白かったです
実のところ、榮倉奈々がちょっと好きではないのですが今回は良かったです
どんな映画やドラマを観ても背が170センチあると相手役も背の高い俳優にしないとダメだし、友人よりも頭一つ出てるのでなんか浮いて見えてしまいます
本作は登場人物がそんなに多くないし豊川悦司は背も高いので普通に見えましたね スタイルの良い2人なので美しいです
それに「必死剣鳥刺し」の豊川悦司が全編で関西弁なのが良かった 方言指導による関西以外の人による役は見てられないもん 豊川悦司の完璧な関西弁はまったく違和感なしでストレスを感じませんでした
遠い親戚の女が5歳の男の子を家に置いたまま消えてしまうんです つぐみと醇は警察に捜索願いを出しつつしっかりと躾けられていなかった男の子を厳しくする醇とジャンクフードやコンビニ弁当ばかりの男の子にちゃんとした食事をさせるつぐみ
生意気な男の子ですが別れの時には心通じるものがあって泣けます 醇は最後まで躾けには厳しく彼なりの親がいなくても社会に出ても恥をかかないようにしたのでしょう
醇に心許したつぐみだったんですけどある女性からの手紙を読まずに奥さんからだと勘違いして玄関でしゃがんでいる豊川悦司を榮倉奈々が後ろから蹴ると豊川悦司は1回転、これは笑いましたよ
色気を感じさせない榮倉奈々も本作では背中ヌードを披露して、見せ場でもある豊川悦司による足の指を舐められるシーンでは恍惚の表情を浮かべます
でも榮倉奈々にはもう少し頑張って欲しかったな そのまま豊川悦司の舌がふくらはぎから太ももくらいまで移動して榮倉奈々の表情の変化を見たかった
一線を超えてからは榮倉奈々がなんだかしおらしく見えましたよ やっぱ彼女も大人の女優ですからね 京都での着物姿は景色と相まって美しかったですよ
元カレに向井理なんですがほんのちょっとの出演でした でもつぐみがとった行動で醇は離れを出て行ってしまうんです 男ってね(笑)
自分は幸せになれないと決め込んでいた女性と、恋愛を拒み、落ち着く家庭を得ることはないと信じ込んでいた50代の男性 二人のちぐはぐな生活と、ゆっくりと“人を愛する”ということに向き合ってゆく姿を描いた大人のラブストーリーです
きっとあなたの側にある寄り添い生きる優しい愛の物語 それが『娚の一生』です。