『殺人の疑惑』
2013年 韓国
《スタッフ&キャスト》
監督・脚本 クク・トンソク
撮影 イ・ジョンイン
音楽 パク・キホン
出演 ソン・イェジン/キム・ガプス/イム・ヒョンジュン/キム・グァンギュ/ハ・ギョンミン/パク・サラン/カン・イル/チェ・ウンソク/キム・ホスン/ユ・テソン/チョン・ジュニョク/ソン・ジョンウ/キム・テリ
《解説》
この世で一番残酷な疑いが始める
韓国三大未解決事件のひとつイ・ヒョンホ君誘拐殺人事件にインスピレーションを得たクク・ドンソク監督が、「私の頭の中の消しゴム」のソン・イェジン主演で描くサスペンス
懸命に自分を育ててくれた父親に、重大事件の犯人ではないかと疑惑を向けた主人公が辿る残酷な運命を描き出す 父親役を「箪笥」のキム・ガプスが演じる
《物語》
2013年6月ソウル、時効まであと15日と迫ったハン・チェジン君誘拐殺人事件 正義感の強い26歳のダウンは大学院の卒業を控え記者を目指していたが、なかなかうまくいかない

ダウンは父親と2人暮らしで教養のない父は肉体労働でダウンを男手ひとつで育て上げた 父スンマンはダウンが記者になれないのは家庭を調べられたからだと自分を責める
ダウンは面接でハン・チェジン君誘拐殺人事件について尋ねられる事が多いので事件を映画化した作品を友人と観に行った

その映画のラストに犯人の肉声が収められていてそれを聞いたダウンは衝撃が走った、その声は父親のスンマンの声に似ていたからだ
心に湧き上がった疑惑を拭いきれないダウン 肉声が公開された事で情報提供者が増えるが警察の捜査は難航する
ダウンはスンマンの携帯や財布、パソコンなどを調べてみるがエロ動画が見付かった程度だ 毎週末に釣りに行くスンマンの後を付けてみたダウン

しかしスンマンは釣りには行かず、駐車場で仕事をしていた 酔った女性客に殴られたスンマンを見てダウンはその女を殴って警察が来る騒ぎとなったがスンマンは自分が悪い、娘は悪くないと謝った
しかしそんな父娘を付け狙う男が現れた、シムと言う男でスンマンの義弟だ 二度と会わない約束をしていた男だったがソウルに戻ってきた シムが家にやってきた事で温厚なスンマンが見せた怖い顔


そこでダウンはシムと母について警察志望の友人に調べてもらい、自分の知らない父の事実が明らかになり疑いは深まっていく…
《感想》
本作は韓国で三大未解決事件のひとつで、「悪魔は誰だ 」でも下敷きになったイ・ヒョンホ君誘拐殺人事件がモデルとなっています
他の未解決事件は「殺人の追憶 」のモデルになった華城連続殺人事件と同名映画が作られた「カエル少年失踪殺人事件 」
そして本作の実話映画の「あいつの声」 そのラストに収録されていた実際の犯人の身代金脅迫電話の肉声の場面が本作のモチーフとなってます
普通の実録物ではなくて主人公が自分の父親が犯人なのではないかという疑いが焦点となっていて、疑い出すと何でも怪しく見えてしまうものですね

そこまでは父娘は本当に仲が良くて肉体労働をする父親を恥じることもなく、男手ひとつで育ててくれたスンマンを尊敬してるんです
親子のドラマの要素が強くて哀しくなってきますよ その声が似てる事で被害者の父親がスンマンの声を聞いて殴りかかったり、ダウンにも暴力を振るったりね
このダウンを演じるのが韓国はもちろん日本でも人気のソン・イェジン 彼女は美人女優で日本でも公開された作品は多いです

おいらは結構観てるのですが、「永遠の片想い」「ラブストーリー」「私の頭の中の消しゴム」「四月の雪」「ファム・ファタール」「白夜行 白い闇の中を歩く」などは鑑賞済みなのですがレビューはしたことないです

なぜか相性やタイミングなのかレビューは本作が初めてです 韓流ブームの時は人気ナンバー1だったんじゃないかな?
スンマン役のキム・ガプスは「箪笥 」に出ていたベテラン俳優です 監督のクク・トンソクは本作でデビュー、デビュー作で有名女優を使えるなんて実績はあったんでしょうね
父への信頼と疑念にゆれる心の葛藤 時効が迫るなか、暴かれていく残酷な真実とは?
少しずつダウンが真実に迫っていく過程は、知らない方が幸せなんじゃないかとハラハラしてしまいますよ