『アクエリアス』
1986年 イタリア
《スタッフ&キャスト》
監督 ミケーレ・ソアヴィ
脚本 ルー・クーパー
撮影 レナート・タフリ
音楽 サイモン・ボスウェル
出演 デヴィッド・ブランドン/バーバラ・クピスティ/ロバート・グリゴロフ/ジョン・モーゲン/メアリー・セラーズ/ドン・フィオレ/レ・パレル
《解説》
嵐の晩、悪魔の迷宮劇場で幕を開ける鮮血のステージ!
ホラーミュージカルをリハーサル中の劇団員たちが、嵐の夜に突如劇場内に閉じ込められ、殺人鬼の手によって次々と惨殺されていく
ダリオ・アルジェントの愛弟子ミケーレ・ソアヴィの鮮烈な劇場デビュー作 ドリルや斧、チェーンソーを駆使した残虐な殺人シーン、出口のなきラビリンスに潜む殺人鬼と、恐怖に身を震わせながら戦いを挑むヒロイン イタリアン・ホラーの伝統を、瑞々しい感性と独自の美学で再生させた若きソアヴィの演出手腕が光る珠玉編
《物語》
薄暗い街角で娼婦が殺された 騒然とする街にフクロウの仮面を被った殺人鬼が現れダンス これはフクロウ姿の殺人鬼を主人公にしたホラーミュージカルのリハーサル現場
このミュージカルを演出するピーターとプロデューサーは対立し、現場はピリピリしている
練習中に足首を痛めたアリシアは仲間のベティに連れられて裏口をこっそりと抜け出して近くの病院へ
しかしその病院は精神病院で近くに他の病院がなくやむを得なかった
受付では門前払いにされるが、親切な医師によって治療を終えて劇場に戻った
しかし車のトランクには16人を殺害し、たった今看護師を殺して脱走した殺人鬼アーヴィング・ウォレスが乗っていた
アリシアが先に劇場に戻るが、無断で抜け出したアリシアはピーターによってクビを言い渡される 怒りながらも駐車場に戻るとベティが殺されていた
警察により捜査が開始されるがオープニングを3日後に控えて猛練習は続けられていた ピーターはこの事件を利用してマスコミに宣伝しヒットを狙う
丁度、フクロウ姿の殺人鬼が娼婦を殺す場面 ナイフを女優の胸を刺し、鮮血が飛び散った 本物のナイフによる、本物の殺人だった
殺人鬼は姿を消し、劇団員はパニックとなり脱出しようとするが扉は開かず、電話も切断され、表の警官には声は届かない
巨大な密室と化した劇場は惨劇のステージへと変貌していく
《感想》
最近、こんな80~90年代のホラー映画がDVD化されて嬉しい限りです
当時はイタリアン・ホラーが衰退していく状況で一矢報いた形のスプラッターです
「サスペリア」から始まったイタリアン・ホラーはダリオ・アルジェントが牽引し、その後は傑作「サスペリアPART2」や「インフェルノ」「フェノミナ」等々
ゾンビ映画を中心に撮っていたルチオ・フルチがブレイク 「サンゲリア」「ビヨンド」「地獄の門」等々
その勢いは続かずアルジェントも凡作を連発 フルチも亡くなりホラー映画と言ったらイタリアのイメージは薄れてきた時に公開された作品です
アルジェントのまな弟子にして初監督作品で小粒ながら詰め込んだ内容です
まさかDVD化されるとは思ってなかったので嬉しいですよ この調子で日の当たらないホラー映画をDVD化お願いします
本作はでかいフクロウの被り物の殺人鬼が殺しまくるんですけど、ちょっとコミカルです
昔は精神病院から脱走した男が犯人なんてのはよくあったんですけど最近はあまりないね
ちょっと差別的に見えたりするんかな?
アルジェントの愛弟子ミケーレ・ソアヴィの才気溢れるデビュー作! それが『アクエリアス』です。
1987年アヴォリアッツ国際ファンタスティック映画祭・最優秀恐怖映画賞受賞
