『麦子さんと』
2013年 「麦子さんと」製作委員会
《スタッフ&キャスト》
監督・脚本 吉田恵輔
脚本 仁志原了
撮影 志田貴之
音楽 遠藤浩二
出演 堀北真希/松田龍平/余貴美子/温水洋一/麻生祐未/ガダルカナル・タカ/ふせえり/岡山天音/田代さやか
《解説》
お母さんはアイドルだった!?
「銀の匙」の吉田恵輔監督・脚本による親子愛を描いたハートフルコメディ 声優を目指すヲタク系女子・麦子は、兄とふたり暮らし そんなある日、自分たちを捨てた母親が突然舞い戻って来て…
「ALWAYS 三丁目の夕日」シリーズや連続テレビ小説「梅ちゃん先生」で国民的女優となった堀北真希を主演に迎えて描くヒューマンドラマ
《物語》
3年前に父を亡くして以来、パチンコ店で働く兄の憲男と2人暮らしの小岩麦子のところに突然、母の彩子が戻って来た

麦子がまだ幼い頃に彩子が出て行ったので記憶がない為、母の出現に戸惑ってしまう 憲男は自分が両親の代わりに麦子を育てたとしつこい程言い、その度に麦子は感謝してますと返事をしていた

次の日、麦子の働く本屋に彩子が現れた 彩子は父を亡くしてからの3年間振り込んでいた15万円を振り込めなくなるので一緒に暮らした方が節約できると言う

振り込みの事を初めて聞いて麦子は憲男に詰め寄る 結果、一緒に暮らすことになるが憲男は彼女と同棲すると言って出て行ってしまい、麦子は彩子と2人きりになった

朝に鳴りっぱなしの目覚まし時計や麦子の大切なマンガを捨ててしまったりと彩子のやることにイライラする麦子だったが朝食の用意をして出勤する彩子に母親を意識してしまう

しかし声優を目指す麦子が入学しようと思っている学校の案内書を彩子が勝手に見てしまい、デリカシーのない彩子に麦子は母親とは思っていないと悪態を吐く
その言葉を最後に、彩子は亡くなってしまう 彩子は末期のガンだった 憲男と麦子の2人だけの葬式 迷惑がっていた憲男だが陰では涙を流して泣いているのを麦子は見てしまう

母親が死んだ事実を飲み込めないままの麦子は迎えた四十九日の日、憲男に言われて納骨の為に母の故郷へと向かう麦子

そこで麦子は周囲から母と間違われ、実は彩子は数十年前に地元でアイドル的な存在だったのだ 商店街を歩くとみんなが振り返るようなね
町の人々に振り回されながら、麦子は母の人生を初めて知ることになる

《感想》
おいらはあんまり堀北真希って好きな女優ではないんです 「白夜行 」も原作とドラマは好きなんですが堀北真希主演の映画版は全然ダメでした

なので避けてるくらい堀北真希出演作は観てなかったのですが、「さんかく 」の吉田恵輔監督作品はちょっと観たかったんです
感想は面白かったです それに堀北真希も凄く良かったです 美少女のイメージが強いんですけど、本作はアニメ声で喋ったりしてヲタクなんです


そんな彼女の前に記憶のない母親が登場するんです 正直こんな状況ってビックリしますよね その辺の心境を堀北真希は繊細に演じています
母親が実は末期ガンで最期くらいは子供たちと一緒に居たかったのかと知ると心がキューってなりますよね それもあってか麦子は母の故郷に納骨に行くんです
そこで最初に出会う温水洋一演じるタクシー運転手は麦子を見て驚愕!彩子が帰って来たと驚くんです 冷静さを取り戻して娘だと知って旅館に連れて行くと、そこでも麦子を見て驚く、ふせえり演じる女将 役所に行くと彩子の親友だったと言う、麻生祐未演じる女性も冷静を保ちつつもビックリ



本当にこの脇を固める俳優たちがみんないい味出してるんです この彩子の故郷では色々と出来事が起こるんです、住民は彩子の昔話を麦子に聞かせて記憶のない母の事を知って感慨深いんです

彩子に母親として接することが出来なくと後悔している麦子は、ふせえりの息子がドラ息子で麦子は思わずビンタをしてしまったりとかね
故郷に納骨してその帰りには母とのわだかまりが解けたのか電話で憲男と話してるシーンは本当に良かったですよ

この憲男を演じるのが、「舟を編む 」の松田龍平 ニヒルな感じで無責任な兄なんですけど彩子が亡くなったときは人知れず泣いている姿はリアルでしたね
堀北真希が2年ぶり主演映画でヲタク系女子に! それが『麦子さんと』です。
出来過ぎかもしれませんが面白かったですよ